米Napster社が米国時間7月27日に,連邦地裁が前日に下した仮処分命令の延期を求め,第9巡回区連邦高裁に提訴した。連邦地裁の命令は,米西部時間7月29日午前零時までにサービスを停止するというものだった。

 Napster社は,「今回の判決は過去の事例を無視し,また『個人』と『非商業目的』の区別を拡大解釈し,Napster社のユーザが著作権を侵害していると不当に判断している」と訴えている。このほか以下を主張する。

●著作権を無理に新技術に適用しており,「著作権の拡張は議会に任せるべき」という最高裁の判断を無視している。

●あまりに審議が短すぎる。たった1回で,しかも90分しか議論がなされなかったし,判事はNapster社の証言申請を受け付けなかった。

●Napster社が音楽業界にとってメリットになっているという証拠を無視した。

 またNapster社は同日,連邦地裁の仮処分命令に対する抗議運動として,2200万人を超えるユーザに週末2日間のバイコット(Buy-cott)キャンペーン「Napster Buy-cott Weekend」を呼びかけた。

 ファイル共有ソフト開発者であるShawn Fanning氏は,「ファイル共有サービスは音楽ファンの巨大コミュニティを作り上げ,音楽産業の売り上げ増を可能にしている。キャンペーンに参加して,我々音楽ファンの購入力を証明しよう」と述べた。

 Napster社は自社サイトに,Napster社サービスへの支持を表明しているアーティストのリストを発表する。ユーザに対し,これらのアーティストのCDを積極的に購入するよう求めている。

 「Napster Buy-cott Weekend」では以下のアーティストがリストに挙げられている。Chuck D,Limp Bizkit,The Offspring,Ben Folds Five,Marianne Faithfull,Mix Master Mike,DJ Spooky,Sunny Day Real Estate,Social Distortion,Face to Face,Get Up Kids,The Grateful Dead,Less Than Jake,Nextmen,The Coup,Cypress Hill,Dr. Octagon,Billy Corgan (Smashing Pumpkins),DJ Keoki,Elwood,Danielle Howle,The Pilfers,Anti-pop Consortium,Eve 6,Super Drag,Nada Surf,DJ Assault,Problem Addict,3rd House of Beef,Hush。

  • www.napster.comに掲載の発表資料1
  • www.napster.comに掲載の発表資料2