家庭向け無線ネットワーク製品の共同開発やサービスの提供で,スウェーデンのEricssonと米Red Hatが米国時間8月1日に戦略提携した。両社は,Javaと組み込みシステム向けOSの「Embedded Red Hat Linux」を組み合わせたソフト開発環境の整備で協力体制を敷く。共同開発の対象となるのは,EricssonのHome Communications部門が開発/提供する家庭向け製品へ搭載するソフトの開発環境で,広帯域接続機能やBluetoothを製品へ搭載するために必要となるドライバ・ソフトなどを共同開発するという。

 「米IDC(International Data Corporation)の報告によれば,PDAやノート型情報端末の出荷台数は2002年までに5500万台を超え,2005年までにはこれらの端末がパソコンの台数を追い抜くという。この市場拡大における事業機会を狙っていく」(両社)。

 両社の提携による製品の第1弾は,Ericsson社が2000年3月のCeBITで発表した「Ericsson Cordless Screen Phone」。リリースは2000年末の予定である。また,キャリアやISP,ASPなどに向けたインターネット・サービスの共同開発を行う。その一部として,Ericsson社のインストール・ベースの製品をアップグレードし,顧客が最新のアプリケーションやコンテンツを利用できるようにする。

 なお両社は,オープンソースの組み込みシステム用ソフト開発ツール「Embedded Red Hat GNU development tools」などの開発で協力するほか,WWWコンテンツやインターネット端末向けアプリケーションの認証技術開発でも協力していく。通信事業者などに向けて,Linuxベースのインフラ技術やサービスを提供する。

[Ericssonの発表記事]
[Red Hatの発表記事]