米Gartner Group Dataquestが米国時間8月3日に,2000年第2四半期の欧州パソコン市場を調査した結果を発表した。市場全体の出荷台数は前年同期と比べて8.9%増の760万台。企業向けパソコンの成長率はわずか0.3%。一方,家庭向けは40%増だった。

 「企業向けの不振は,2000年問題の影響,Windows 2000導入の遅れ,経費節減などが原因として挙げられる。e-business向けにIT予算が振り向けられている影響もある」(Dataquest社Computer Systems and Peripheralsプログラム副社長兼ディレクターのHoward Seabrook氏)。

■表1
2000年第2四半期の欧州におけるメーカ別パソコン出荷台数(予測値)

2000年Q2 2000年Q2 1999年Q2 1999年Q2 成長率
メーカ 出荷台数 市場シェア 出荷台数 市場シェア (%)
(1000台) (%) (1000台) (%)
Compaq Computer 1,214 15.9 1,135 16.2 6.9
Fujitsu Siemens 678 8.9 719 10.3 -5.8
Dell Computer 657 8.6 638 9.1 3.0
Hewlett-Packard 551 7.2 470 6.7 17.2
IBM 491 6.4 610 8.7 -19.6
その他 4,041 53.0 3,433 49.0 17.7
合計 7,631 100.0 7,006 100.0 8.9

出典:Dataquest社

 米Hewlett-Packardは,トップ5社では市場の平均成長率を上まわった唯一のメーカとなった。

 企業向けパソコンの出荷台数は550万台で,欧州パソコン市場全体の72.2%を占めた。家庭向けは成長率こそ高かったものの,市場全体における割合は依然として小さい。出荷台数は210万台。

 地域別でみると,ドイツが出荷台数150万台で1位。前年同期と比べて10.3%増加した。英国は前年同期比11.3%増の130万台。フランスは0.8%減少して90万台だった。最も大きく成長した地域はロシアで,前年同期と比べて28.7%増加,出荷台数は30万台だった。

 「企業向け市場の活性化は,短くなった製品寿命がトリガになる。今後18カ月にリプレース需要が増加する。早ければ2000年第4四半期には兆候が出てくるだろう」(Seabrook氏)。

 なお米International Data Corp.(IDC)も,2000年第2四半期における欧州・中東・アフリカ(EMEA:Europe,Middle East,and Africa))のパソコン市場を調査した結果を明らかにしている。前年同期と比べた台数ベースの成長率は9.6%とひと桁成長だった。

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[gartner11.gartnerweb.comに掲載の発表資料]