米IBMが米国時間8月3日に,スーパーコンピュータ「RS/6000 SP」を米国防総省の「Naval Oceanographic Office (NAVOCEANO)」に納入したことを明らかにした。海上での大規模災害を予測し回避するための基礎研究に向ける。

 NAVOCEANOが導入したシステムは,POWER3-IIプロセサを1336個,1.336Tバイトのメモリ,17Tバイトの記憶装置を搭載する。POWER3-IIは銅(Cu)配線を用いたマイクロプロセサである。

 性能値は2TFLOPS。世界に4番目に高速なマシンという。チェスの世界チャンピオンGarry Kasparov氏を下したスーパーコンピュータ「Deep Blue」(IBM社製)の約170倍の処理能力を持つという。

 RS/6000 SPは,米国防総省の「High Performance Computing Modernization Program」の一環として,ミシシッピ州にある「Stennis Space Center」に設置された。

 NAVOCEANOはRS/6000 SPで,世界の海洋波,海流,水温に関する詳細なモデリングを行う。これにより海洋現象を正確に予測し,海軍と商船の安全確保,また海上捜索と救助の能力向上を図る。「エル・ニーニョ」や「ラ・ニーニャ」といった海洋現象に関する予測技術の開発にも利用する。

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[www.ibm.comに掲載の発表資料]