米IDCが米国時間8月8日に,企業向けシステム管理ソフトウエアの世界市場を調査した結果を発表した。市場は1999年に23%増大し,その規模はほぼ120億ドルにまで達したという。この勢いは今後も止まらず,2004年にはさらに117%増加し,260億ドル規模にまで発展すると予測する。

 システム管理ソフトウエア市場の成長にはさまざまな要因が考えられるという。「経済成長,IT技術者の不足,SAN(storage area networks)の普及,新たなIT機器の普及などが成長要因として考えられる」(IDC,System Infrastructure Software部門副社長のPaul Mason氏)。

 なお同社が言う企業向けシステム管理ソフトウエアとは,コンピュータ資源を管理するためのソフトウエアで,エンド・ユーザ,小企業,ワークグループ,企業向けのすべてのソフトウエアを指す(ただしネットワーク・インフラ管理のためのソフトウエアは除いている)。同社は市場を,変更/コンフィギュレーション管理,イベント・オートメーション,ジョブ・スケジューリング,出力管理,性能管理,問題管理,ストレージ管理といった製品分野に分類して分析を行っている。

 このうち最大規模の製品分野はストレージ管理である。ストレージ管理製品の1999年の市場規模は32億ドル,2004年には2倍以上の76億ドルにまで増大すると予測する。次に来るのは性能管理ソフト。こちらの1999年の市場規模は27億ドル,2004年には2倍の54億ドルとなるという。

 成長が最も速いのは,変更/コンフィギュレーション管理ソフトである。1999年から2004年までの年平均成長率(CAGR:compound annual growth rate)は20.2%で,システム管理ソフトウエア市場全体の年平均成長率17%を上回る。

 国別でみると,米国ベンダが最大のシェアを獲得している。米国ベンダの1999年における売り上げベースのシェアは90%である。また地域別でみた市場規模は,北米がトップで世界の57%を占めている。これに次ぐのが西欧でそのシェアは27%である。

[発表資料へ]