米国出版者協会(AAP:Association of American Publishers)と米Microsoftは現地時間8月8日に,電子ブック(e-book)の著作権侵害行為に対する取り組みで協力する意向を明らかにした。Microsoft社は同日,Windows向けの電子ブック閲覧ソフト「Microsoft Reader」の配布を始めたが,これに合わせて発表を行ったもの。

 両者は緊密に連携を取り合い,著作権侵害行為に関する教育活動や各種プログラムの実施などで協力していく。Microsoft社はAAPに対して,インターネットに掲載されている違法なコンテンツを発見するための技術を提供するほか,資金提供も行う。

 またMicrosoft社は電子出版物の著作権侵害行為に関する教育を目的としたWWWサイトを自社サイト内に立ち上げた。将来的にはこのサイトをAAPのWWWサイトの一部として提供していくことも計画している。

 AAPは今後,各種プログラムの調整にあたるが,1年以内に新たな委員会を設置し,これらプログラムの監督を行う。なおこの委員会の顧問には当初,AAPの委員長兼CEOであるPat Schroeder氏およびMicrosoft社Technology Development副社長のDick Brass氏が就く。

 両者の取り組みは次の三つの分野に焦点を絞るという。すなわち,教育,暗号技術,法的手続き,である。広範な教育活動を実施し,電子ブックやその他電子出版物の著作権について大衆の認知度を高めていく。またMicrosoft社支援のもと,各種のプログラムやサービスを実施し,違法コンテンツの摘発,著作権所有者への告知,法的機関などとの協力体制により著作権侵害の撲滅に向け活動していく。

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