米Sprintが米国時間8月23日に,企業向け無線データ通信サービス「Sprint PCS Wireless Web for Business」を発表した。Sprint PCS Phoneから,企業内ネットワークや電子メール,企業ディレクトリ,販売/サービス・ツールなどへの無線アクセスを可能にする。製品やサービスの提供は9月1日から始める予定である。

 49ドル99セント以上の「Free &Clear Plan」ユーザは,月額40ドルの追加でWireless Web Browserを無制限で利用できる。月額10ドルのWireless Web Optionを購入し,月極めのサービス時間の枠内で利用することもできる。2000年12月31日までの期間限定で,新規加入の法人ユーザ向けにWireless Web Optionを6カ月間無償で提供する。

 Sprint PCS社は「Wireless Web for Business」で新たなサービスを提供するために,アプリケーション・プロバイダやシステム・インテグレータなどと提携した。提携したのは,米Lotus Development,米Wireless Knowledge,米Siebel Systems,米Sabre Holdings,米PeopleSoftの各社。サービスの概要は以下の通り。

・企業内ネットワークの電子メール/情報管理(Wireless Knowledge社,Lotus社):
 Microsoft ExchangeとLotus Notesへの無線アクセスを可能にする。電子メールのほか,スケジュール管理やアドレス帳にも対応する。

・企業ディレクトリ・サービス(PeopleSoft社):
 企業ディレクトリへの無線アクセスを提供する。様々な情報ソースから情報を引き出せる。

・トラベル・サービス(Sabre社):
 トラベル・サービス・プロバイダとの連携で,企業ごとにカスタマイズしたトラベル情報を提供する。

・販売/サービス向けアプリケーション(Siebel社):
 顧客情報への無線アクセスを提供する。販売状況や製品の問い合わせ,サービスや受注の状況,顧客への対応状況などのレビューや更新を行う。

 同社はまた,二つのインターネット接続サービスを用意した。「Sprint PCS Wireless Web Enhanced Internet Connection」はSprint PCS Phoneを使い,インターネットに素早く接続できる環境を提供する。帯域の有効利用技術と「Sprint PCS Dialer 2.0」と組み合わせたことで実現した。「Sprint PCS Wireless Web Private Network Connection」は,インターネットへの接続や企業内ネットワークの情報へのアクセスを20秒以内に可能にする。

 2000年後半には,ユーザが電子メールや販売ツール,トラベル・サービス,企業ディレクトリ,その他コンテンツやアプリケーションなど様々な情報を1カ所にアクセスするだけで得られるようにする。

 またSierra Wirelessが,「Sprint PCS Wireless Web Modem」を,Socket communicationsが「Sprint PCS Wireless Connection Card Kit」を提供する。前者はCDMA対応のPCカードで,WindowsパソコンのType IIのスロットに装着して使う。後者はPDAなど様々な携帯情報端末で使える。WindowsおよびWindows CE搭載機やPocket PCマシン,Macintoshで利用できる。

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