米Intelが米国時間8月23日に,無線インターネット・アクセスやネットワークなどのアプリケーションに向けたマイクロアーキテクチャ「Intel XScale」を明らかにした。組み込み用途向けである。サンノゼで開催中のIntel Developer Forumで発表したもの。

 携帯電話などのインターネット端末やネットワーク機器,ストレージ機器に向ける。Windows CEをはじめ,VxWorks,IxWorks,EPOC,Embedded LinuxなどのOSに対応する。

 XScaleは,StrongARMの技術をベースにする。LSIは,0.18μmルールの半導体技術で製造する。消費電力を10mW~1.6W程度に抑える。動作周波数は1GHz近くに達するという。スーパーパイプライン構造を採る。

 「XScaleコアを用いることで,個人情報管理やカレンダ機能,無線インターネット接続,無線ビデオなどを統合した端末を設計できる」(Intel社Wireless Computing and Communications部門の副社長Ron Smith氏)。

 XScaleには,「Intel Dynamic Voltage Management(DVM)」と「Intel Media Processing Technology(MPT)」と呼ぶ技術を用いた。DVMは,アプリケーションに合わせて,動作周波数と動作電源電圧を調整する技術である。電池動作時間の延長を図れる。MPTは,マルチメディア処理能力を高めるコプロセサ・エンジンの技術である。

 XScaleのCPUコアは,「ARM Thumb」技術を用いオブジェクト・コード効率を高めている。DSP(Digital Signal Processor)機能も組み込んだ。ARM Architecture 5.0に対応している。ARM対応のOSやアプリケーション,各種ツールなどとの互換性を確保した。

 なお,Intel社は,StrongARM,XScale,IA-32,IA-64に向けたツール「Integrated Performance Primitives(IPP)」をベンダに提供する。アプリケーションのポーティングを簡易化できる。

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