米Microsoftは米国時間8月29日に,オフィス・スイート製品「Microsoft Office」の次期版のテクニカル・ベータ初版(Beta 1)を,同社顧客の特定グループに向けて配布したと発表した。同時に同製品の機能概要について明らかにした。

 次期版は,Microsoft社の「.NET」構想を取り入れた初のOffice製品となる。インターネット・ベースのサービスを取り入れるなど,WWWとの統合によって生産性の向上を図った。

 個人向けには生産性の向上,グループでの利用ではコミュニケーションと協調作業環境の向上を図ったという。またOfficeを使ったソリューションの開発が行えるなど,企業・団体の利用における拡張性も考慮した。次期Officeが備える機能の概要は以下の通りである。

 ・個人作業の環境
 1)Smart Tags。Smart Tagsでは「AutoCorrect」「AutoFormat」「Paste Options」といった入力補完や情報へのアクセスを支援する機能を提供する。例えばWord文書で顧客の名前を入力すると,Smart Tagが現れOutlookに収められている顧客のアドレスを自動入力するオプションを提供する。同様にしてExcel書類に,WWWの株価速報を入力することも可能

 2)Task Pane。Officeの機能や用途別の操作方法を紹介するヘルプ機能

 3)Speech。音声認識機能を備えており,音声命令による操作やディクテーションが可能

 4)HotmailおよびMSN Instant Messengerとの統合。OutlookとMicrosoft社のWWWベース電子メールおよびインスタント・メッセージのサービスを統合

 5)Word Countツールバー。ワード数,文字数,行数,ページ数,段落数を数え,現在の状態を常に表示する機能

 このほか,アプリケーションや書類を自動修復する機能やエラー・レポート機能などを備え,安全面も考慮したという。

 ・ワークグループ環境
 1)書類の回覧を円滑に処理するための機能。編集や変更の権限などを管理できるユーザ・インタフェースや,複数の人による変更を一つの書類にマージするための機能などを備える

 2)グループの作業場を提供。WWWサイトを立ち上げ,顧客情報やタスク・リスト,イベント・カレンダ,お知らせ,ライブラリといった各種の情報を容易に掲載できる環境を提供する

 Officeの次期版は,ネイティブでXMLをサポートするほか,独自のSmart Tagを開発できる仕組みを取り入れている。またWWWベースの協調作業ソリューションの開発が行える開発ツールを提供するなど,企業・団体に向けて高い拡張性を提供する,としている。

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