スパム(迷惑メール)やフィッシング対策として期待される「送信者認証技術」。最近は新しい話題が少ないためにメディアに取り上げられる機会が減っているものの,関係者は依然注目している。例えば,総務省が開催する「フィッシング対策推進連絡会」では,送信者認証技術をフィッシング対策の“有望技術”として検討することを予定している。

 送信者認証技術を推奨する米Microsoftや米Sendmailなどは,送信者認証技術に関する情報を公開して,普及を促している(図)。センドメールでは,送信者認証の導入に関するドキュメントの日本語版を公開している。システム管理者などは,今年注目したい技術の一つだ。

 そこで本稿では,過去に掲載した送信者認証技術に関する記事を掲載日時順にまとめた。Microsoftが「Caller ID for E-Mail」を提唱してから,まもなく1年になろうとしている。送信者認証技術の導入を考えている方も,そうでない方も,ぜひご一読いただきたい。

Gates氏,電子メールの身元追跡仕様「Caller ID for E-Mail」など,スパム撲滅に向けた新構想を発表 [2004/02/25]

米Yahoo! ,電子メールの暗号認証システム「DomainKeys」で米sendmailと提携 [2004/02/26]

Microsoft,IPアドレスで送信元を特定するスパム対策技術を公表 [2004/02/26]

米国で本格的に始まるスパム対策,しかし大手3社の足並みそろわず [2004/03/12]

スパム対策用のサーバー認証機能を実装したSendmailが2004年夏に公開 [2004/03/24]

「アドレス詐称を防ぐ技術は詐欺メール対策にも有効」——センドメール小島社長 [2004/03/25]

米MicrosoftとMeng Wong氏,「Caller ID for E-Mail」と「SPF」の統合で合意 [2004/05/26]

「MSやYahoo!のスパム対策技術は今年中に実用段階に」——米SendmailのCEO [2004/06/17]

米MicrosoftとPobox.com社Wong氏の統合スパム対策仕様「Sender ID」,IETFに提出 [2004/06/28]

米Sendmail,スパム対策仕様「Sender ID」向けオープンソース・メール・フィルタを公開 [2004/08/31]

「Sender Policy Frameworkはスパムには効かないものの,フィッシングには有効」 [2004/09/01]

Apache Software Foundationが「Sender ID」をサポートしない姿勢を表明 [2004/09/03]

「送信者認証は“スパム対策”ではなくて“フィッシング対策”」——マイクロソフト [2004/09/06]

マイクロソフトが迷惑メール対策技術セミナーを開催,送信者認証は2005年末に普及へ [2004/09/10]

米Microsoftの送信者認証技術「Sender ID」にオープンソース陣営が反発する理由 [2004/09/10]

IETF,米Microsoftのスパム・メール対策仕様「Sender ID」の標準化を否決 [2004/09/15]

米AOL,米Microsoftのスパム対策仕様「Sender ID」の新版サポートを表明 [2004/10/26]

送信者認証技術「Sender ID」に復活の兆し [2004/10/29]

どうなる? メールの送信者認証 [2004/11/16]