驚くほどばかげたアイデアを聞いた。カリフォルニア州ロサンゼルスの警察が,テロ発生時にすべての携帯電話の通話を妨害しようと企んでいるらしい。信じがたいことに,真剣に検討されているという。
スペインの列車爆破テロで携帯電話が使われたので,次にテロ攻撃が起こる際には携帯電話の通話を妨害すべき――。というのが,このアイデアである。
トレード・オフの面から検討してみよう。この“対策”がほんの少しでもテロリストの攻撃を阻止する可能性はあるだろうか? 無視できるほど小さい。一方,テロ対応の連携を難しくし,救援活動を妨げ,攻撃後のパニックを増大させる可能性はどれくらいか? 極めて大きい。
テロリストの仕事に手を貸すようなことがあってはならない。テロ攻撃への対応に役立つインフラは,どんな形であれ,機能できる状態にしておこう。
<http://www.theinquirer.net/?article=15959>
Copyright (c) 2004 by Bruce Schneier.
◆オリジナル記事「Cell Phone Jamming and Terrorist Attacks」
◆「CRYPTO-GRAM June 15, 2004」
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