［CRYPTO-GRAM日本語版］ウイルス戦争

勝村幸博

2004.04.27

　私たちはウイルス／ワームのまん延する世界に住んでいる。このわずか数週間だけでも，膨大な種類のウイルス／ワームが発見された。その大部分は新種でなく，別のものから派生した亜種である。

　現在，Bagleワームの作者たちとNetskyワームの作者たちとのあいだで戦争が続いているようだ。両ワームの多くの亜種がインターネットを飛び交い，いつでも出くわすようになった。亜種の各バージョンには，敵グループに向けた批判やあざけりの言葉が埋め込まれている。

　例えば，Netsky.Rにはこんなメッセージが入っていた。「そう，その通り。わかったらしいな。Bagleはくそ野郎だ。バックドアを開けて大儲けしてやがる。Netskyはそうじゃない。Skynetと同じソフトでデキが違うし，作っているのは善人さ。信じてくれるかい？　Bagleと，それを作っている連中がいる限り，俺たちはこれからもSkynetの違うバージョンをしこたまばら撒くぜ……　ありがとよBruce Schneider。ついでにチェコとロシアのみんなにもよろしく。俺たちがSkynetだ」

（そう。これを例として引用したのは，私の名前が入っているからだ）

　残念ながら，この戦争は終結しそうにない。おそらく，さまざまなメンバーが参加して規模が大きくなっていき，いずれ飽きがくるだろう。しかしそれまでは，このくだらない騒ぎに耐える必要がある。

掲載記事：
＜http://www.itnews.com.au/storycontent.asp?...＞
＜http://slashdot.org/article.pl?sid=04/04/06/...＞

Netsky.Rに関する情報：
＜http://www.sophos.com/virusinfo/analyses/...＞

さまざまな亜種：
＜http://www.f-secure.com/weblog/archives/...＞

◆オリジナル記事「Virus Wars」
◆「CRYPTO-GRAM　April 15, 2004」
◆「CRYPTO-GRAM　April 15, 2004」日本語訳ページ
◆「CRYPTO-GRAM」日本語訳のバックナンバー・ページ

◆この記事は，Bruce Schneier氏の許可を得て，同氏が執筆および発行するフリーのニュース・レター「CRYPTO-GRAM」の記事を抜粋して日本語化したものです。
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