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記者の眼

早く改訂してほしい「Windows XPの寿命」

中田敦 2005/07/06 ITpro

 皆さんは,「Windows XPの寿命」がいつ尽きるかご存じだろうか。製品寿命と言うと,いろんな意味があるのだが,ここでは2つの寿命に注目したい。1つはマーケティング用語としての製品寿命で「(1)製品の販売が終了するまでの期間」であり,もう1つはユーザーの視点で見た「(2)製品が安全に使えなくなるまでの期間」である。

 実は,マイクロソフトが公表している「Windowsデスクトップ製品のライフサイクルガイドライン」という資料によると,皆さんが自宅で使っているであろう「Windows XP Home Edition」の製品寿命は,(1)の方があと半年で,(2)の方があと1年半で尽きてしまうことになっている。

Windows XPの販売は2005年12月31日で終了?

 詳しく見てみよう。まず(1)の製品寿命についてだが,マイクロソフトの資料によれば,Windows XPの「正規OEMおよび,小売店のライセンス利用終了日」は2005年12月31日になっている。つまり,パソコン・メーカーがマイクロソフトからWindowsを調達してパソコンにプリインストールして販売したり,小売店がWindows XPのパッケージ版を販売したりするのが,2005年12月31日で終了するというのだ。

 別に「OEM正規販売代理店のライセンス利用終了日」というスケジュールもあって,こちらは2006年12月31日になっている。この期間であれば,パソコン・メーカーは代理店からライセンスを購入して,Windowsをプリインストール販売できる。しかし,Windows 2000がこのフェーズに移行した際には,多くのメーカーがWindows 2000のプリインストール販売を終了した。

 また,(2)の製品寿命はサポート期間から判断できる。Windowsのサポート期間には大きく2つの種類がある。1つは,マイクロソフトがバグ修正を無償で実施する「メインストリーム・フェーズ」という期間で,もう1つはセキュリティに関連するバグ修正のみ無償で実施する(それ以外は有償)「延長フェーズ」である。

 例えば,新しい周辺機器やソフトウエアがあるバージョンのWindowsで動かず,動かない原因がWindows自身のバグにあった場合,当該バージョンのWindowsのサポート期間がメインストリーム・フェーズにあるのならマイクロソフトがバグを無償で修正してくれる。しかし,延長フェーズにある場合は無償で修正してくれない。メインストリーム・フェーズと延長フェーズの違いは,こういうことである。

 セキュリティ以外のバグ修正は公開されないことも多いので注目度は低いが,決して数が少ないわけではない。記者が取材したパソコン・メーカーの中には,「自社のTVチューナ・ボードを動作させるためだけにマイクロソフトに開発してもらったパッチ」を組み込んで,Windows XPパソコンを販売しているところがある。パソコン・メーカーや周辺機器メーカー,ソフトウエア・メーカーとしては,メインストリーム・フェーズでないOS向けの製品開発は避けたいところだろう。自社で動作保証をするのに,マイクロソフトの手助けが得られなくなり,コストアップに直結するからだ。

XP Home Editionは2007年1月1日以降安全に使えない?

 そのメインストリーム・フェーズだが,Windows XPの場合,「Professional」か「Home Edition」かで状況が大きく異なる。

 Windows XP Professionalはビジネス向け製品なので,サポート期間は「メインストリーム・フェーズが5年(または次期バージョン発売から2年),延長フェーズが5年(または次々期バージョン発売から2年)」というルールが適用される。本来であれば,Windows XP Professionalのメインストリーム・フェーズは2006年12月31日で終了するはずだが,Longhorn(開発コード名)の発売から2年間は延長されるだろう。また延長フェーズも,Longhornの次のバージョンの発売から2年間ということになる。

 一方,Windows XP Home Editionは家庭用製品である。メインストリーム・フェーズは,2006年12月31日で終了してしまう。しかもXP Home Editionには延長フェーズが存在しないので,サポートはこれで終了である。2007年1月1日以降,Windows XP Home Edition用に,新規のセキュリティ修正パッチが無償で提供されるかどうかは定かではない。

 Windows XP Home Editionには,2009年12月31日まで「オンライン・セルフヘルプ・サポート」というサポートが提供される予定だが,最悪の場合,新規のセキュリティ修正パッチが提供されない可能性があるのだ。というのも,現在Windows NT Workstation 4.0がオンライン・セルフヘルプ・サポートの期間(2006年12月31日まで)にあるが,NT Workstation 4.0向けには新規のセキュリティ修正パッチが提供されていない。マイクロソフトの定義をそのまま受け止めれば「Windows XP Home Editionは2007年1月1日以降,安全に使えない」ということになるだろう。

こんなスケジュールが無理なのは自明

 もっとも,「Windows XPの販売は2005年12月31日で終了」「XP Home Editionは2007年1月1日以降安全に使えない」と書いた記者自身,本当にこのようなことが現実になるとは思っていない。Windows次期バージョンである「Longhorn」の発売は,2006年末の予定である。現在のスケジュールのままで行けば,2006年1月以降,マイクロソフトが販売するWindowsがなくなってしまうことを意味する。また,Windows XP Home Editionのユーザーは,Longhornが出るとすぐにアップグレードしなければならないことになるだろう。このようなシナリオは,どう考えても現実的ではない。

 2004年の段階では,マイクロソフトはLonghornの中継ぎバージョンである「Windows XP D2」を出すことで,サポート切れの問題に対処するとうわさされていた。長く使いたいユーザーには,新製品を推奨するという戦略である。

 しかし,同じ中継ぎバージョンである「Windows Server 2003 R2」のサポート・フェーズは,「Windows Server 2003」のサポート・フェーズと同一になる予定である。つまり,Windows XP D2が出ても,Windows XPと同一のサポート・フェーズになるはずなので,Windows XP自身のサポート延長が避けられなくなる。

 よって問題は,マイクロソフトが「いつサポート延長」を公表するかと,「いつまでサポートを延長するか」に絞られているのだ。そもそも,サポート期間が1年半を切った状況で「Windows XPで新しいことをスタートしよう」とホーム・ユーザーに呼びかけているマイクロソフトの姿勢に,記者は疑問を感じている。1年半しか安全に使えない製品を,だれが欲しがるのだろうか?

 実は,OSのサポート期間を明示していないアップル・コンピュータと比較すると,マイクロソフトの態度はかなり「マシ」である。今回特に問題にしたWindows XP Home Editionは,「家庭向け製品」でかつ「次期バージョンがいつまでたっても登場しない」という,特殊条件が重なっただけ――と思いたい。そのためにも,Windows XP(特にHome Edition)の販売期間やサポート延長について,一刻も早く態度を明らかにしてほしい。

(中田 敦=日経Windowsプロ)

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