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記者の眼

“社会的”になりつつあるインターネット――ソーシャル・ネットの将来性と課題

藤川雅朗 2005/05/23 ITpro

 インターネットの特徴を簡単に説明しなさい――。こう要求されたら,みなさんはどのように説明するだろうか?

 世界中の誰とでも通信できるネットワーク――。見ず知らずの人と意見を交換し,世界中に友達ができるネットワーク――。どんな情報でも探し出せば見つかる図書館のようなもの――。匿名で自分の意見を大声で言える場――。多かれ少なかれ,このように「インターネット=オープン」または「インターネット=匿名性」という印象を持っているユーザーが多いのではないだろうか。

 そんな中,こうしたインターネットの印象とは180度異なるコンセプトを打ち出してユーザーを増やしつつあるサービスがある。それは,ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)と呼ばれるものだ。

「友達」関係を基盤とするコミュニティ・サイト

 「ソーシャル」(social)とは,「社会的な」とか「社交的な」という意味の英単語。SNSは,すでに実社会で友達関係にあるユーザー同士が情報を交換するのを便利にしたコミュニティ・サービスである。会員になったら,まず最初にプロフィールを入力して自分のページを立ち上げる。そうした個人のページから,メッセージ交換のほか,日記や友達リスト,同好の士が集まるコミュニティなどをチェックできるようになっている。国内では,「mixi」や「GREE」,「キヌガサ」といったSNSが稼働している。どれも無料のサービスだ。最大規模のmixiは,5月9日時点で約62万のユーザーを抱えるという。

 SNSは,今までのインターネット上のサービスと異なり「閉鎖的」な印象を与える。その理由は,ユーザー登録に「招待制」を採用しているからだ。

 先に挙げた三つのSNSはどれも,誰でもすぐに会員になれるというサービスではない。基本的に,すでにサービスを利用している友達から“招待状”を受け取らないと参加できないのだ(注1)。つまり,SNS上で最初にコミュニケーションするユーザー同士は,すでに顔見知りの仲なのである。

注1:三つのサービスのうちキヌガサだけは,提供事業者であるpaperboy&co.の他のサービスのユーザーなら他のユーザーの招待なしで参加できる。

 そもそもSNSは,「世界中の不特定多数のユーザーとコミュニケーションする」ということは想定していない。国内最初のSNSであるGREEを立ち上げたグリーの田中良和社長は,「自分が友達とコミュニケーションするために立ち上げた」のだという。インターネットという便利なものがあるのだから,それを友達同士のやりとりに役立てようという発想だ。

 ただ,既存の友達の範疇を越えて,サービスの中で新しい友達関係を作り出せるようにした点もSNSの特徴だろう。SNSでは,最初に顔の見える友達関係から信頼の輪を作り,その信頼の輪の中から新しい人間関係を築き上げられるようになっている。見ず知らずのユーザー同士がコミュニケーションする場合でも,「友達の友達はみな友達だ」という考え方が基盤にある。

「安心感」がユーザーの利用を活発にさせる

 こうした「友達」つながりは,ユーザーに安心感を与える。

 インターネット上に数多くある従来の掲示板は,基本的に誰でも匿名で書き込みできるようになっている。身近な人には相談できないようなことでも,匿名性のある掲示板に悩み事を書き込んでいろいろな人のアドバイスを受けられる。ただし,そうした掲示板には,匿名であるのをいいことに,無責任な発言を繰り返したり,他のユーザーを誹謗中傷しているような書き込みがあるのも事実だ。

 それに対してSNSは,「他の掲示板と同じような“荒らし”もあるが,多くのユーザーは礼儀正しい」(グリーの田中社長)という。

 SNSでは,自分の友達だけにしか公開しないコミュニティ(掲示板)を立ち上げたり,友達にしか日記を公開しないといった機能を持たせることで,安心して友達同士のコミュニケーションに利用できるようになっている。

 こうした安心感が,ユーザーの利用頻度を高める。国内SNSの最大手であるmixiでは,3日以内に再ログインするユーザーの割合は「サービス開始当初から7割という高い水準を維持している。ユーザーがmixiに滞在する時間も長い」(mixiを提供するイー・マーキュリーの笠原健治社長)という。また,「招待されないで利用しても楽しめない。サービスを十分楽しんでもらうためには友達から招待してもらうほうがいい」(笠原社長)とも言う。

 イー・マーキュリーはそもそも,自分たちでトラフィックを作り出せるサービスが必要だと感じていた。そんなイー・マーキュリーにとって,mixiは思ったとおりのサービスに成長しつつある。

より社会的になるインターネット

 もちろん一部には,ユーザー登録時に招待制を採るSNSの閉鎖性に反感を持つインターネット利用者や,参加したくても参加できないという疎外感を感じてるユーザーもいるようだ。しかし,実際の社会には,出入りが自由な公園や誰でも入れる飲食店がある一方で,会員制クラブもある。SNSは,「世の中の一般的な仕組みをインターネットの中に持ち込んだ」(グリーの田中良和社長)ものだといえる。

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