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見直されるソフトウエア・テストの重要性----専門書市場にもミニ・ブームこの数年,IT関連の専門書籍の分野ではソフトウエア・テストの本が急に増えてきた。これは出版社に勤務する一編集者の個人的印象ではないようで,欧米の著名なテスト業界人も同じことを述べている。最近発行されたリック・クレイグ他著の“Systematic Software Testing”(邦題「体系的ソフトウエアテスト入門」)の「推薦の言葉」に,著者クレイグの友人でやはりテストの専門書を上梓しているレックス・ブラックは次のように書いている。 「1999年に私がManaging the Testing Process(邦題「基本から学ぶテストプロセス管理」)を出した頃は,テストに関する書籍はわずかしかありませんでした。幸いなことに,ここ数年の間に,テストの専門家向けの出版物は着実に増加しています」 西暦2000年という区切りを境に実際にどれくらい増えてきているかを,日本で翻訳出版された海外の専門書の点数で見てみよう。翻訳書の数をカウントするのは,日本の読者に紹介する価値があり,書籍としての市場性も十分あると,訳者や出版社が判断した,いわばフィルタを通った本と言えるからである。(邦題の後の年号は訳書の発行年) 20年で3冊から,4年で7冊に急増 「わずかしかなかった」時代には,現在まで長く読み継がれているテストの「古典」と言ってよい,代表的な専門書が2冊あった。G・J・マイヤーズの“The Art of Software Testing”(邦題「ソフトウェア・テストの技法」,1980年)とボーリス・バイザーの“Software Testing Techniques”(邦題「ソフトウェアテスト技法」,1994年)だ。 前者はテストの考え方やいろいろな手法を扱った基礎的な解説書であり,後者はプログラマが担当するユニット・レベルのテスト技法を中心テーマとする,学問的にも価値の高い大著である。この2冊に,やはりバイザーの“Black-box Testing”(邦題「実践的プログラムテスト入門」,1997年)を加え,テストを真正面から扱った専門書は(ソフトウエアの品質全般を扱った本は別として),筆者の知る限り1999年以前の20年間で3冊しか翻訳出版されていない。 ところが,2000年を過ぎると急にその数が増えている。中には1万部を軽々と突破する,専門書の世界ではベスト・セラーと言ってよい本もいくつか出てきた。ソフトウエア・テストというどちらかという地味な分野に,IT技術者の関心が向けられるようになったのもこのころからだろう。テストに興味を持つ読者のために,参考文献などに引用されることが多い,2000年以降に翻訳出版されたテストの主要な専門書リストを以下に示しておこう。
・セム・ケイナー 他の“Testing Computer Software”(邦題「基本から学ぶソフトウェアテスト」,2001年) 上のように2001年から2004年の4年間で,主要なテスト本だけでも7冊が翻訳されて,国内に紹介されている。日本の著者によるソフトウエア・テストの本も,最近はよく目にするようになった。システム開発プロジェクトの全工数の半分前後を占めるといわれるテストに,ようやく光があたるようになったと言えよう。 なぜ急にテストが注目されるようになったかを詳しく論じるのは本コラムの範囲を超えているが,おそらく次のことは言えるだろう。 |