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記者の眼

知らないと損をするWindows Server CALの仕組み

中田敦 2004/03/16 ITpro

 Windowsの専門媒体である「日経Windowsプロ」は,3月号の特集として「Windowsライセンス,ここが難しい」という記事を掲載した。マイクロソフトのライセンス制度はいろいろと難しい点が多いので,ライセンスをよく理解しないと,ライセンス違反になったり,逆に本来だったら払う必要のないライセンス料まで払いかねない――という記事である。

 日経Windowsプロは実用誌なので,本来なら「これでバッチリ」「悩み解決!」といったタイトルの特集が望ましいと思う。しかし,実際問題としてWindowsに関するライセンスは非常に難しいので,このようなタイトルに落ち着いた。そして本誌の記事では「クライアントOS」「オフィス製品」「サーバー製品」の3分野のライセンスに関して,難しいと思われるポイントと,その解説を掲載している。

 この記者の眼では,Windowsに関するライセンスの中でも最も難しいとされる「Windows Server CAL(Client Access License)」の数え方に関する注意点をご紹介しよう。製品の使用許諾契約書(EULA:End User License Agreement)やマイクロソフトが発行する「ライセンス・ガイドブック」を読んだだけでは分からないWindows Server CALの仕組みを理解してほしいからだ。

Windows Server 2003で変更になったCALの数え方

 Windows Server CALとは,Windows Serverを利用するときにクライアント側に必要となるライセンスである。価格は3000~5000円程度(価格は購入先や購入本数によって変動する)で,Windows 2000 Serverの場合はサーバーにアクセスするデバイス(パソコンやPDAなど)ごとに,Windows Server 2003の場合はサーバーにアクセスするデバイスまたはユーザーごとに必要となる。

 Windows 2000 Serverまでは,ライセンスの使用許諾契約書(EULA)に「CALが必要になる条件」が定められていた。つまり,ファイル・プリンタ共有サービスを利用する場合やActive Directory(AD)を利用する場合に,CALが必要になるとされていた。そのため,Windows 2000 ServerをWebグループウエアのようなアプリケーションのサーバーとして利用する場合に,そのアプリケーションがADやファイル共有サービスなどを利用しないのであれば,Windows Server CALが不要となる場合があった。

 それに対してWindows Server 2003では,ライセンスの使用許諾契約書に「CALが不要となる条件」だけが記されるようになった。そこで示された条件は「インターネットを経由した匿名アクセスの場合のみ」。他の用途では必ずCALが必要になったのである。

 つまりWindows Server 2003では,「Webグループウエアのサーバーとして利用する場合」「イントラネットのWebサーバーを構築する場合」においてもCALが必要である。マイクロソフトはこの変更について「CALが必要になる条件を簡略化した」と説明している。

ダウングレードしたときはどうなる?

 さて,ここまでは「CALが必要になる条件」が変更になったという話である。驚かれたユーザーも多いだろう。「Windows Server 2003を社内で使う場合には,必ずCALが必要になる」ということは,コスト・アップに直結しかねない非常に深刻な問題だからだ。ただし,CALの仕組みそのものは単純化したといえる。本当に難しくなるのは,Windows Server 2003をダウングレードして利用するときだ。

 ダウングレードとは,Windows Server 2003や,OEM版を除くWindows 2000 Serverで認められている権利で,ライセンスを購入したOSの代わりに,古いバージョンのOSをインストールしてもよいというものである。Windows Server 2003のライセンスを購入すれば,その代わりにWindows NT 4.0やWindows 2000 Serverをインストールしても構わない。

 Windows 2000 Serverのパッケージ販売は2004年5月31日で終了するので,今後Windows 2000 Serverを新規導入するようなユーザーは,Windows Server 2003のライセンスを購入してダウングレード利用することが多くなるだろう。

 さて,ここで問題がある。Windows Server CALにも「バージョン」が存在し,Windows 2000 Server用のCAL(2000 CAL)では,Windows Server 2003は利用できない。Windows Server 2003を利用するには,Windows Server 2003用のCAL(2003 CAL)が必要である。では,Windows Server 2003をWindows 2000 Serverにダウングレードして利用する場合,必要になるのは2000 CALだろうか? それとも2003 CALだろうか?

原則は2003 CALが必要なのだが・・・

 実は,この答えが非常に難しい。原則的にWindows Server 2003を利用する際には,それがダウングレードした場合であっても2003 CALが必要である。なぜならWindows Server 2003のライセンスには「ダウングレードした場合でも,契約内容はWindows Server 2003のまま」という意味の記述があるからだ。

 よって,Webグループウエアのサーバーにするときに,パッケージ版のWindows 2000 ServerならCALが不要な場合があるが,Windows Server 2003をダウングレードしたWindows 2000 Serverでは,ほとんどのケースで2003 CALが必要になる。

 このライセンス条項をそのまま適用すると,現在「接続クライアント数(per Seat)モード」で2000 CALを購入するなどして,全社的にWindows 2000 Serverを利用しているユーザーは,その環境にWindows Server 2003をダウングレードしたWindows 2000 Serverを追加した段階で,CALのアップグレードが必要になってしまう。Windows 2000 Serverを利用しているユーザーの中には,Windows Server 2003へのアップグレードを考えていないユーザーもいるだろう。そういうユーザーにとっては「寝耳に水」のアップグレードになってしまうはずだ。

 さすがにマイクロソフトも,これではユーザーの反発が大きくなると考えたのか,「既に2000 CALを持っているユーザーの環境に,Windows Server 2003からダウングレードしたWindows 2000 Serverを追加しても,2003 CALは必要ない」という見解を示した。つまり,既に全パソコン分のNT 4.0/2000 CALを保有しているようなユーザーが,CALと同じバージョンのサーバーを使う分には,Windows Server 2003からのダウングレードであっても,CALのアップグレードは不要ということである。

 残念なことに,既存のWindows 2000 Serverユーザーにとって有利と思われるこの特例は,ユーザーにあまり知られていない。また,筆者が調べた限りでは,ライセンスの使用許諾契約書やライセンス・ガイドブック,マイクロソフトのWebサイトなどには明記されていないようだ。これを知っているのと知らないのでは,コスト的にもかなり違ってくるはずなので,既にper Seatモードで2000 CALを所有するユーザーは,ぜひとも留意していただきたいと思う。

(中田 敦=日経Windowsプロ)

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