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記者の眼

自分のWebサイトのことを分かっていますか?

小川弘晃 2002/11/22 ITpro

 「自分のWebサイトが今どういう状態なのか分かっていない企業が多すぎる。業績アップのために,なぜWebサイトの分析を行い。その結果をサイトの運営に生かさないのだろうか」――。取材に回っている最中,こうした言葉を何度も聞いた。

 筆者がWeb行動解析ツールを調べ始めたのは,約1年前から。当初は「ある程度は有用性があるのだろう」程度の認識しかなかったが,取材を重ねるに連れ「Webサイト運営のために非常に有用なツール」と確信するようになった。

 Web行動解析ツールとは,Webサイトの現状を分析するための機能を備えるツールのことだ。Web行動解析ツールという呼び名はあまりなじみがないかもしれない。だが,ユーザーがアクセスするたびにWebサーバーに蓄積される「アクセス・ログ」を分析するツールと言えばイメージできる人も多いだろう。

 ただし,アクセス・ログを分析するツールだけがWeb行動解析ツールではない。アクセス・ログ以外にも,回線に流れるパケット・データを解析するタイプのものや,Webブラウザが送信したアクセス情報を解析するタイプなどがある。

ユーザーの行動を把握しWebサイトを強化

 Web解析ツールの利点は,自分のサイトがユーザーにどのように使われているか(見られているか)が分かるデータが得られること。そして,得られたデータを,Webサイトの強化策を立てるのに役立てられることだ。

 例えば,サイトやサイト内の各コンテンツのアクセス状況が分かる「ページ・ビュー」や「ユニーク・ユーザー」,ユーザーがサイト内のページをどういう順番で巡回したかが分かる「ページ経路(クリック・ストリーム)」など,サイトに残したユーザーの“足跡”ともいえるさまざまなデータが手に入る。この“足跡”が,サイト運営の戦略に役立つデータが詰まった“宝の山”なのだ。

 だが,この“宝の山”を生かしきれていない企業が多い。サイトやコンテンツのアクセス数を計測するぐらいのことはほとんどの企業でも行っているだろう。だが,アクセス数が分かるだけで満足してはいないだろうか。“宝の山”の奥底にある,より価値のある“宝”に気づかないで終わってはいないだろうか。そうした企業は,Webサイトの業績アップのためにWeb行動解析ツールを活用することを検討してみるとよいと思う。Web行動解析ツールの使い方次第では,それが可能なのである。

 例えば,医薬品や医療化粧品を販売するサイト「アイドラッグストアー」を運営するオズ・インターナショナル。Web行動解析ツールの解析結果から販促用のメール・マガジンの配信日を変更し,売り上げアップを実現した。

 オズ・インターナショナルは以前,金曜の夜にメール・マガジンを配信していた。土曜や日曜など休日にメール・マガジンを読み,サイトで商品を購入するユーザーが多いと考えていたからだ。だが,解析の結果,サイトへのアクセスは平日の昼間に集中することが分かった。つまり,同社が意図した通りにユーザーが動いていないことが明確になったのである。「これではメール・マガジンの効果が半減」である。

 そこで,メール・マガジンの配信日を木曜の夜に変更したのである。平日にサイトを閲覧するユーザーの購買意欲を促進できると考えたからだ。狙いは的中。売り上げが20%もアップした。

 玩具メーカーのタカラは,解析結果からコンテンツの強化策を立て,ページ・ビュー25%アップという成果を得た。ページ・ビュー増を果たしたのは,カードゲーム「デュエルマスターズ」のコーナー。同コーナーの1人当たりの閲覧するページ数(ページ・ビュー)が,他のコーナーに比べて(ページ・ビュー)が20~30%多いことが解析結果から明らかになった。

 タカラはこの結果を見て,「ページ・ビューが多いことはいいことだ」だけでは終わらせなかった。当時のデュエル・マスターズは,販売しているカードの一部を簡単に紹介しているだけだった。だが,解析結果から推測できたのは「中味をじっくり見たいユーザーが多い」ということ。そうしたユーザーのニーズに合った作りになっていないことを問題視した。

 そこで,ユーザーのニーズを満たすコーナーにすれば,より多くのアクセス数を稼げると考え,同コーナーのリニューアルに踏み切った。具体的には,1枚ずつ詳しい説明を添えて紹介するように変えたのである。改善の結果はすぐに表れた。リニューアルした翌月にはページ・ビューが25%アップした。

行動分析に役立つさまざまなデータを入手できる

 現在,Web行動解析ツールはさまざまな製品が登場している。製品形態はソフトウエアだけではないASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)サービスもあるし,アプライアンス製品もある。

 Web行動解析ツールは,解析に使うデータを取得する方法から,大きく3種類に分けることができる。(1)サーバーに残ったアクセス・ログを解析するタイプ,(2)回線に流れるパケット・データを解析するタイプ。(3)ページに埋め込まれたスクリプトから送信されたデータ解析するタイプの3つだ。

 (2)のタイプのWeb行動解析ツールの場合,Webサーバーとインターネットの間に設置したスイッチング・ハブのミラー・ポートからパケットを取得し,解析用のサーバーに蓄積する。(3)のタイプでは,Webブラウザがページを開いた時点で,専用のスクリプトが解析用のサーバーにアクセス情報を送信。解析用サーバーに蓄積したデータを基に解析する仕組みだ。

 (1)のタイプのWeb行動解析ツールでは,アスキーソリューションズが販売する「SiteTracker」やアズジェントが販売する「WebTrends」などがある。(2)のタイプでは,エーアイピーブリッジの「RTmetrics」やネットイヤーグループの「OPTICIAN」,(3)のタイプではブルーメトリックスの「SiteMetrix」やレッド・シェリフの「レッドシェリフ・メジャーメント」などがある。

 さまざまなタイプのWeb行動解析ツールがあるが,得られるデータはほぼ同じだ。そのデータの例をいくつか紹介しよう。

 もっともよく使われるのが「ページ・ビュー」や「ユニーク・ユーザー」。ページ・ビューはサイトにアクセスしたユーザーが閲覧したページの総数を表す。ユーザーがWebブラウザ上で1ページを表示すると1ページ・ビューとしてカウントされる。サイトの“視聴率”を表すデータとしてよく使われている。ユニーク・ユーザーはサイトに訪問したユーザーの数を指す。延べ訪問者数ではなく,1人のユーザーが複数回同じサイトに訪れても1人と数える。

 ユーザーがサイト内のページをどういう順番で巡回したかを示すのが「ページ経路」。「ページ遷移」とも「クリック・ストリーム」とも呼ばれる。ページ経路は,サイトのナビゲーションを検証するためによく使われている。例えばページ経路を使えば,サイト運営者が意図した通りの経路でユーザーが動いているかが確認できる。経路を外れたユーザーが多ければ,サイトのナビゲーションに問題がある可能性が考えられる。こうしたナビゲーションやユーザビリティの問題点を浮き彫りにできるのがページ経路の利点だ。

 「ユーザー・エージェント」では,ユーザーが利用しているWebブラウザやOSの種類やバージョンがわかる。これは,Webサイトを構築する上で重要なデータである。ブラウザやOSの種類やバージョンでページの見え方や使える機能が異なるからだ。このため,サイトを構築する際には,自分のユーザーのアクセス環境を把握しておくことが欠かせない。ユーザー・エージェントでは,そのために役立つデータが手に入るのである。

 このほか,どのサイト経由で自分のサイトを訪れたかが分かる「リファラ」や,検索サイト経由で訪れるユーザーがどういう検索語を使ったかが分かる「検索キーワード」などがある。

 Web行動解析ツールについては,システム担当者といったある程度技術のスキルを持つ者が使うツール,という印象が強いかもしれない。だが,最近ではほとんどの製品がマーケティング担当,コンテンツ企画担当など技術者以外の人間でも活用できるように使い勝手を工夫している。「売り上げが伸びない」「お客が来ない」ことに悩んでいるサイト運営者の方は,一度使ってみてはいかがだろうか。

(小川 弘晃=日経インターネットソリューション )

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