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記者の眼

外国企業の積極的な誘致が国内の活性化につながる

津田建二 2002/06/13 ITpro

 韓国が日本企業に接近している。誘致すべき日本企業,あるいは提携関係を構築できる企業を探すため積極的に来るようになった。

 ソウルにあるITベンチャー企業と日本企業との間でビジネス関係を築こうという韓国ITベンチャー商談会がさる5月下旬,ヒルトン東京で開催された。東京にある韓国貿易センターと,大韓貿易投資振興公社(KOTRA)が主催して行われる商談会で,昨年に引き続き,2回目を迎えた。

外国企業誘致でさらに国内を活性化

 IT関係では昨年,TCP/IPチップを世界で最初に開発したWiznet社,今年はBluetoothを利用し,ワイヤレスでしかもどんなものの上をなぞっても文字や図形をPC画面上に描くことの出来るペンを開発中の(ワイヤードのペンは製品化済み)Finger System社など,ユニークなハイテク技術を持つところが来日した。

 韓国ハイテク業界はIMF危機を境にして大きく変った。金大中大統領をはじめとして韓国全体が構造改革を成功させたのである。三星,現代,LG,大宇など財閥を再編成した。自動車産業にも進出しようとしていた三星に待ったをかけ,半導体や液晶などに特化させ,半導体メモリーに進出していた現代とLGを合併させ,現代グループを自動車産業に特化させた。起亜自動車,大宇グループは破綻した。メモリーと液晶で世界一になった三星の変貌ぶりはいまさら言うまでもない。

 一方で,今後の成長産業はIT関連ビジネスに間違いないことから,ITベンチャーを積極的に支援した。幸いにも人材は再編成した財閥から流れてきた。インキュベーション・センターのオフィス賃貸料をある期間免除する,ITベンチャーに投資するベンチャー・キャピタルへの税を優遇する,といった支援策をとってきた。

 変身した韓国はいま,外国企業を積極的に誘致している。製品輸出,海外生産など,いやがおうにもグローバル競争に巻きこまれている国内産業を刺激し,海外企業との競争力を強化するためだ。国際競争の舞台を自国に提供することで,自国内の企業を活性化し,さらに海外での競争に負けないビジネス・マインドを持たせることができる。昨年12月に投資団が来日,韓国への投資を呼びかけた。

誘致なくして機会を逃す

いまや,外国企業をいかに呼び込むかという国際競争が激しくなっている。韓国だけではなく,シンガポールを始めとする東南アジア諸国,台湾,英国といった地域は,10年以上も前から外国企業を呼びこむことに熱心だ。

 閉鎖的だった中国でさえ最近は,外国企業の誘致に熱心になってきた。12億人を超える人口を抱える中国は,数年前までは外国企業を積極的に誘致してこなかった。合弁という形でしか,外国企業を中国へ呼びたくなかった。運営資金を外国企業に出させるためだ。独自資本で中国へ進出した企業は,中国国内には製品を売ることが許されなかった。外貨を獲得・蓄積することが狙いだったからだ。

 しかし,WTO加盟が議論され始めたころからむしろ,独自資本にせよ合弁にせよ積極的に外国企業を受け入れるための誘致策,特に税制優遇策を,地方政府を中心に展開している。例えば,上海の浦東地区のハイテク工業団地では,設立後5年間はたとえ利益が出ても無税,次の5年間は半額,という税制優遇策がある。

 英国には,外国企業を誘致するための投資庁という組織がある。外務省と貿易産業省(日本の産業経済省に相当)の二つの組織の管轄下に作られた。サッチャー政権の構造改革で外国企業を積極的に誘致した結果,日産自動車やNECなどが英国に進出,工場を稼働させた。

 こういった海外における外国企業の誘致活動を見ていると,日本は一体どうなっているのか,と感じてしまう。「外国企業の誘致競争に1年遅れると大きな機会を逃がしてしまう」,と英国投資庁のデビット・ライト長官は3月16日付けの日本経済新聞で述べている。

 日本には,誘致するための税制優遇策もない。かのインテルが密かに日本で半導体工場の建設を検討していたが,日本に建設せずアイルランドに建設したのは税制優遇策が決め手になったと言う。

 小泉構造改革の一環として,税制改革を2006年までに完了させるというが,外国企業の誘致という視点がまだ欠落している。国内のITベンチャーやモノ作りのベンチャー企業などを集める工業団地にさえ,税制優遇はない。成長産業の活性化のためにも外国企業誘致,税制優遇という,「世界標準」の政策を積極的に考えるべきではないだろうか。

(津田 建二=日経エレクトロニクス・アジア チーフ・テクニカル・エディター)

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