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記者の眼

あなたの会社,「失敗情報」を集めていますか?

川又英紀 2002/05/24 ITpro

 2000年11月に発行された『失敗学のすすめ』(講談社)という本をご存じだろうか。東京大学名誉教授である畑村洋太郎氏の著作で,「失敗のプラス面に目を向けよう」といった内容がまとめられている。

 その後,畑村教授は関連書籍を次々と世に送り出し,失敗学はいま,ビジネス界でちょっとしたブームになっている。畑村教授は,失敗対策にまじめに取り組む企業からの講演依頼などでひっぱりだこだ。

 この本に触発され,日経情報ストラテジーでも,本誌なりの「失敗学の研究」をまとめることになった。

 取材を始めるにあたり,記者は4月初めに,都内にある畑村教授のオフィスを訪ねた。折しも,みずほ銀行のシステム障害が大問題になっていた時であり,畑村教授からは「いま,雑誌で失敗学の研究をやることには,大きな意義がありますよ」とお墨付きをいただいた。

誰も言いたがらない失敗情報

 ただ,本誌で失敗学という学問について論じても意味はない。編集部で議論した結果,テーマを「企業における失敗情報の集め方」に絞ることにした。失敗情報は誰も言いたがらないため,社内で共有することは極めて難しいからだ。この点に悩む企業担当者の声を,記者は以前から何度も耳にしていた。

 企業にとって,失敗が大きな資産になることは,昔から指摘されている。だが,肝心の失敗情報の共有はというと,どの企業でもあまり進んでいない。

 本誌ではここ数年,情報共有やナレッジ・マネジメントをテーマにした特集記事を何度も掲載してきたが,それらのなかで紹介した先進企業でさえも,失敗情報の共有はうまくいっていなかった。特に,営業部門や企画部門,販売部門などでは,失敗情報の共有がほとんど実践されていないようだ。

 こんな状態は,いま現在もあまり変わっていなかった。4月に取材を申し込んだ多くの企業からは,「営業部門などでは,失敗情報は共有できていない」と打ち明けられ,取材を断られるケースが相次いだ。

 一方で,失敗情報の共有が進んでいると言われているある企業からは,こんなコメントが寄せられた。「当社にとって,失敗は最大の財産だ。失敗の中身はもちろんのこと,その共有の仕組みを外部の方にお話しするわけにはいかない。取材はご遠慮いただきたい」

 失敗情報を共有できている企業を探し当てることはきっと難しいだろうと覚悟していたが,難しさは予想を上回った。結局,今回取材できたのは,住商リース,国際航業,リコーなど7社に限られた。

 我が社では,こんな方法で失敗情報を集めているという企業があれば,ぜひとも日経情報ストラテジー編集部に,ご連絡いただきたい(メール・アドレスはnis@nikkeibp.co.jp)。

「失敗は許す。その代わり,早く打ち明けて対策を講じ,全社で共有せよ」

 今回取材できた企業のなかで最も印象に残ったのは,住商リースの石井光春社長へのインタビューである。海外勤務が長い石井社長は,情報のオープン化に非常に積極的。「失敗は許す。その代わり,早く打ち明けて対策を講じ,全社で共有せよ」と全社に大号令をかけているという。

 実は畑村教授は著作のなかで,一貫して,「失敗対策ができるのは社長だけ」と主張してきた。なるほど,石井社長のような経営者がいなければ,失敗情報は共有できないなと納得できた瞬間だった。

 「失敗情報」の集め方や生かし方については,日経情報ストラテジー2002年7月号(2002年5月24日発売号)の特集に掲載した。ぜひ,ご覧下さい。

(川又 英紀=日経情報ストラテジー編集)

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