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記者の眼

WWWサイト運営,ユーザーの声に学んだこと

井上望 2001/02/05 ITpro

 雑誌の編集部を離れてこのIT Proサイトの企画を始めてから,はや9カ月が過ぎようとしている。さまざまなトラブルに泣かされ,ユーザーの皆様にもご迷惑をおかけしてきたが,おかげ様で2001年2月2日時点で11万7488人の方々に会員登録をしていただき,何とか軌道に乗ってきた,と感じる今日このごろである。

 紙メディアとインターネット・メディアを経験し,一番大きな違いだと感じるのは,読者からの反響のスピードと量である。正直に言うと,雑誌をやっていたときには,読者の求めているものが何かを見失って苦しんだ時期も長かった。

 もちろん,インターネット・メディアでその悩みが消えるわけでは決してない。だが,雑誌に比べて,少なくとも読者ニーズを考えるデータははるかに大量に集まってくる。こうしたデータをいかにうまく吸い上げ,消化し,顧客満足度向上のために有効にフィードバックできるかどうかが,WWWサイト運営の成否を握っていると考えている。

ユーザーの声がサイトを育てる

 私自身も読者として,IT Proの記事に対する会員の方々からのコメント(記事左上部または記事末の「FeedBack」で「皆様の評価を見る」をクリックすると表示される)を毎日,楽しみに---半ば戦々恐々としながら---読ませていただいている。

図1●IT Proの記事分類別ページ・ビュー
2001年1月1日から31日までの統計。対象は記事ページのみで,目次ページや動的生成ページ(検索結果ページなど)は母数に含めていない

 最近では,2月1日の記者の眼「初めて学ぶプログラミング言語は何がいい?」に対するコメントが印象に残っている。短いコメントのなかにもそれぞれの方の経験を通じてのプログラミングへの思いやこだわりが感じられ,たいへん興味深く拝見させていただいた。

 サイトの機能やユーザー・インタフェースへの改善要求も私たちにとって重要な情報である。例えば「FeedBack」のフォームを読者の要望にそって記事末尾にもつけるようにしたところ,投票やコメント書きこみが一気に約4倍に増えた。ちょっとしたユーザー・インタフェースやナビゲーションの改良が大きな効果を生むことを改めて教えられた。

 このメディアがどのような読者に,どんな読まれ方をしているか,という定量的なデータの分析も,サイトの質を向上させるために重要である。

 例えば図1は,IT Proのページビューを記事分類別(ニュース,解説系記事,コラム,など)に見たものである。実は,実際にこのサイトを始めるまでは,インターネットではニュース記事へのニーズが圧倒的に多く,70%以上を占めるのではないか,と考えていた。ところがフタを開けてみると,予想以上に「ITレポート」などの解説系記事と,「記者の眼」を含むコラムの人気が高かったのだ。

図2●あなたが今後IT Proに期待することは?
IT Pro読者アンケートに2001年2月2日までにご協力いただいた587人の方々の回答を示した(複数回答可)

 ちなみに,こうしたニーズは,2001年1月末から実施したIT Pro会員向けWebアンケートからもうかがえる。「あなたが今後IT Proに期待することは何ですか」という項目に対する回答を図2に示した。

 「ニュース等速報性」もさることながら,「ほかでは得られない情報」「専門的な情報」「トレンドの背景説明など解説記事の充実」という項目を選ぶ方が多かった。IT Proというサイトに何が求められているのかを,私自身も再確認した次第である。

 私たちにいろいろな考える材料をご提供いただいている会員の皆様には,この場を借りて御礼申し上げたい。よりよいコンテンツ,より使いやすいサイトとすることで,皆様に再度“FeedBack”をしていきたいと思っている。

本質は変わらない

 さて,こうした読者ニーズを踏まえ,私たちはこれから何を考えてサイトを強化していけばよいのだろうか。

 最近感じるのは,記者として本質的に大事なことは,インターネットだろうが紙媒体だろうが何も違わない,というごく当たり前のことだ。きちんと取材と調査をし,本当のことを,わかりやすく,いち早く伝える。世の風評に流されずに「実は本当はこうなんだ」と真実を伝える。要するに記者の仕事はそれにつきる。

 もちろん,紙メディアとインターネット・メディアでは情報提供の形態も違うし,インターネット・メディアならではの情報提供/交換の形態も,私たちはこれから模索していかなければならない。だが,どんなに環境が変わっても,ことの本質は変わらないと思う。

 サイトの企画段階では,eマーケットプレースだのマッチング・サービスだのといったきらびやかな言葉に引かれたものだ。だが,しょせんは記者あがりが集まって作ったサイト。とりあえずは記者としての初心を大切にしていこうと思っている。

(井上 望=IT Proサイトマネジャー)

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