オープンソース・ソフトの更新情報を収集しているfreshmeat-Jサイトのリニューアル・オープンからもうすぐ3カ月。このサイトが元記事として参照している「freshmeat」( http://www.freshmeat.net )では,欧米を中心に毎日100本近くのオープンソース・ソフトの更新情報が集まる。こうしたなかに,日本発で人気を集めるソフトがいくつか登場するようになった。

 オープンソースというと,「Linuxや他のUNIX向けでしょ?」というあなた。さにあらず。実はJavaベースのソフトやMac,Windows版ソフトも多数掲載されている。無償でダウンロードできるLinuxディストリビューションは多々あるので,それとfreshmeatのソフトを試しに使ってみても損はない(時間はかかりますが・・・)。

 さて,そもそも海外に起源があるソフトでも,国際化を意識して作られ,結果として日本語に対応するものは多い。例えばCD作成ソフトの「Gnome Toaster」( http://gnometoaster.rulez.org/)やチャット向けシステム構築用の「phpMyChat」( http://www.phpheaven.net/phpmychat.php3 ),ftpクライアント・ソフトlftp 2.3.3( http://lftp.yar.ru/ )はいずれもヒット数が1万を超えるメジャーなソフトだが,日本語のシステム・メッセージを表示するためのロケール・データなどが追加されている。「HTML::Template」( http://sourceforge.net/projects/html-template/ )のように日本語マニュアルが付属するものも増えている。

 こうしたなか,最近は日本発で海外のユーザーの注目を集めるソフトも増えてきた。例えばプログラミング言語「Ruby」( http://www.ruby-lang.org/ ),IPv6にも対応したルータ-・ソフト「Zebra」(http://www.zebra.org/),Outlookに似た外観を持つ電子メール・ソフト「Sylpheed」(http://sylpheed.good-day.net/)などである。

 freshmeatでは,個々のソフトの記事ごとにホームページやダウンロード・ページへのリンクが付けてあり,それを読者がクリックした数(ヒット数)をリアルタイムに表示している。ヒット数が1万を超えるWWWサーバー・ソフトApacheやDNSサーバー・ソフトBindなどのメジャーは別格だが,3000程度を超えれば「中堅」と考えていい。先に挙げたソフトはほぼこの線をクリアしている。これらのソフトを使った派生品や関連ソフトもあるくらいだ。

 もちろん全世界で作られ,公開されるソフトの数に比べたら,評価の高い日本発のオープンソース・ソフト(オープン醤油ソフト?)の数はまだまだ少ない。希望を込めて言えば,言葉の壁さえ越えれば,世界に通用するソフトはもっとたくさんだろう。また,そういうソフトの存在があまり日本で知られていないのもちょっと情けない。

 freshmeatに登場するソフトの作者の方に話を聞くと,日本語ページで細々と公開していたものをfreshmeatに掲載したら「とたんにアクセスが数千を超えた」という例がいくつもあった。自らを振り返っても,なるほど日本のソフトにきちんと目が届いていなかった気がする。そろそろ日本のソフトを海外に紹介するお手伝いをしようと考えている。そういえばジャストシステムさん,一太郎Arkはfreshmeatにどうでしょう?

(齋藤 淳=IT Pro編集)