ゾープ・ジャパンは8月8日,オープンソースのコンテンツ管理システム(CMS)Zopeの日本でのロードマップを発表した。Zope2の管理インタフェースを日本語化作業を中止し,最新版であるZope3に注力する。

 Zopeは,米Zopeが開発しオープンソース・ソフトウエアとして公開しているCMS(関連記事)。英語版でも,日本語のコンテンツを管理できる(ゾープ・ジャパンが公開している「Zopeを日本語で使うための作業解説ムービー」)。ゾープ・ジャパンではより容易に扱えるよう,Zope2の管理インタフェースの日本語化を進めていた(関連記事)。2004年末時点では,2005年第一四半期の正式公開を目指していたが,2005年3月に公開したプレビュー・リリース3が最新版で,正式版の公開には至っていない。

 ゾープ・ジャパンでは「2004年11月に新バージョンであるZope3がリリースされ,米ZopeではZope2からZope3へのプラットフォーム移行が進められてきた」(同)として,Zope2の日本語化を中止し,Zope3に注力する。2006年1月に,Zope3をベースにした商用の大規模向けCMS「Zope4Intranets」の日本語版を出荷する。また,2005年11月からZope3の開発者向けトレーニングを開始する。またZope4Intranetsの日本語版を開発する過程で,Zope3で日本語コンテンツやアプリケーションを作成するための変更を行い,その成果をオープンソースとして公開していく予定という。

 ただし,現在のZope3はZope2と互換性がない。2005年の末にリリースを予定しているZope 3.3で,Zope2のアプリケーションをそのまま動作させることができるようになる。そのため,ゾープ・ジャパンでは,今後もZope2を利用したシステム構築事業も継続するとしている。

 ゾープ・ジャパンによるZope2の日本化は中止されたが,元ゾープ・ジャパンCTOで2004年末にゾープ・ジャパンを離れた柴田淳氏が「Zope日本語化プロジェクト」としてZope2の日本語化作業を行っている。こちらは今後も開発が継続される予定。

(高橋 信頼=IT Pro)