経済産業省などの主催で毎年開催している「U-20プログラミング・コンテスト」は今年度から,これまで公開されていなかった入選作品を,フリー・ソフトウエアまたはオープンソース・ソフトウエアとして公開することを奨励する。「公開することで,ソフトウエアが広く使われ,発展していくことを期待している」(経産省)。

 U-20プログラミング・コンテストは,経産省,財団法人 日本情報処理開発協会(JIPDEC),情報化月間推進会議が主催しているコンテスト。一昨年まで「全国高校生・専門学校生プログラミング・コンテスト」として実施してきたが,昨年から「U-20プログラミング・コンテスト」として20歳以下であれば誰でも応募できるようになった。

 審査員には,Rubyの作者であるネットワーク応用通信研究所のまつもとゆきひろ氏,独立行政法人産業技術総合研究所の新部裕氏,ミラクル・リナックスの吉岡弘隆氏など,オープンソース・ソフトウエアの開発経験が豊かな技術者が参加。オープンソース・ソフトウエアとして公開するための助言や支援を提供する。

 経済産業省ではこのところ,世界に通用する高度なIT人材の育成に力を入れている(関連記事)。高度なIT人材を育成する上で,フリー・ソフトウエアまたはオープンソース・ソフトウエアとして公開し,作品が広く使われることが有効との考えだ。入選作品は経産省やJIPDECのホームページなどで広く紹介し,普及を支援する。

 コンテストの応募締め切りは7月29日。個人と団体の2部門があり,動作プラットフォームとしてはWindows,Mac OS,Linuxなどを想定している。経産省では広く参加を呼びかけている。

 また今年から,一次審査を通過した作品については,作者がプレゼンテーションを行い,そのソフトウエアに凝らした工夫や,ソフトウエアに込めた“想い”を審査員にアピールする。

(高橋 信頼=IT Pro)