Nokia 770 Internet Tablet
 フィンランドNokiaが5月25日に発表したLinux携帯端末「Nokia 770 Internet Tablet」。携帯電話大手が無線LANインターネット端末に参入する戦略製品として注目を集めている(関連記事)。

 このNokia 770に日本人が開発したオープンソース・ソフトウエアが主要コンポーネントとして採用されている。山本博之氏が開発しているメール・クライアント・ソフト「Sylpheed」である。Nokia 770には,Sylpheedのエンジン部分が使用されている(Nokia 770の主要コンポーネント・リスト)。

 Sylpheedは,山本博之氏が開発を続けてきたメール・クライアント・ソフトで,海外にも多くのユーザーを持つ。2004年12月にバージョン 1.0がリリースされた。山本氏は「Nokiaは多くのメール・ソフトを検討したようだが,Sylpheedが“軽い”ことが評価されたようだ」と話す。

 NokiaもSylpheedの開発に貢献している。バグを修正するパッチがNokiaからSylpheedコミュニティに提供され,Sylpheed本体に統合された。

 山本氏は現在,インテグレータのグッデイに勤務している。グッデイではSylpheedのカスタマイズなどの商用サービスも手がけている。グッデイ 代表取締役 前田青也氏は「NokiaがSylpheedを利用すると同時に開発にも貢献する。オープンソース・ソフトウエアのビジネス利用における好例」と話している。

(高橋 信頼=IT Pro)