コンピュータ・アソシエイツは6月2日,個人ユーザー向けのスパム・メール対策ソフト「eTrustアンチスパム2005」を発表した。メール・ソフト「Outlook」および「Outlook Express」専用のアドイン・ソフト。特徴は,アドレス帳などに登録されていないユーザーからのメールは一律にスパムと判定すること。メールの件名や本文の中身は調べない。このため「他社製品と比べて処理が早い」(ビジネスディベロップメントディレクターの長谷一生氏)。価格は,ダウンロード版が3980円,パッケージ版が5680円。ダウンロード版は6月3日,パッケージ版は6月17日から販売する。

 eTrustアンチスパムは,OutlookおよびOutlook Expressのアドイン・ソフトとしてのみ動作する。単独では動作しない。このため,同製品を利用できるのは,OutlookおよびOutlook Expressのユーザーに限られる。eTrustアンチスパムをインストールすると,OutlookやOutlook Expressのツール・バーには,eTrustアンチスパムを操作/設定するためのメニューが表示される(写真,拡大表示)。eTrustアンチスパムに関する操作/設定は,すべてこのメニューから行う。

 eTrustアンチスパムの特徴は,アドレス帳などに登録されているメール・アドレスやユーザーが許可したアドレス以外からのメールをすべてスパムと判定すること。知らない相手からのメールは受信トレイには表示させず,隔離フォルダ(デフォルトの名称は「eTrust Anti-Spam」)に移動する。

 具体的な利用イメージは次のようになる。まず,eTrustアンチスパムをインストールすると,Outlook/Outlook Expressのアドレス帳や受信トレイに置かれているメールなどの情報を基に,ユーザーがいつもメールをやり取りしている相手のアドレスを集めた「承認送信者リスト」を作成する。これがホワイトリストとなり,このリストに登録されていないアドレスからのメールはすべてスパムと判定することになる。リストは自動的に作成されるので,「ユーザーが初期設定や調整をする必要はない。インストール後,すぐに利用できる」(長谷氏)。

 スパムではないメールが隔離された場合には,そのメールを選択して「承認」ボタンを押せば,そのメールの送信者は承認送信者リストに加えられる。

 多くの他社製品とは異なり,件名や本文中の単語や文章を調べることはない。「コンテンツ・ベースで判断する製品はAIなどを搭載している場合が多い。それらはCPUパワーを必要とするので処理が重くなる」(テクノロジー ディビジョン アソシエイトコンサルタントの高田徹氏)。eTrustアンチスパムではメールのヘッダー情報だけで判断するので処理が軽いという。また,ファイル・サイズも2Mバイトと小さい。

 企業ユーザー向け製品を提供している同社にとって,今回の「eTrustアンチスパム2005」は,3本目の個人ユーザー向け製品となる(関連記事)。今夏には,個人ユーザー向けの「eTrustパーソナルファイアウォール2005」や,個人ユーザー向け製品をすべて同梱した「eTrustインターネット セキュリティ スイート2005」もリリースする予定である。

◎参考資料
コンピュータ・アソシエイツ,個人・SOHO向けスパムメール対策ソフトを販売開始(プレスリリース)

(勝村 幸博=IT Pro)