ITエンジニアリングは6月から,ユーザー企業のITガバナンス(統治能力)を向上させることを狙ったコンサルティング/トレーニング・サービスを始める。IT戦略の立案,RFP(提案依頼書)の作成,見積もり比較,複数プロジェクトのコントロール,IT投資評価といった一連のプロセスに関してコンサルティングを実施するとともに,プロセス全体を管理するマネジメント・ツールを販売する。

 ITガバナンスはコーポレート・ガバナンスのIT版であり,ITに関する諸活動の状態を可視化しておき,経営者や株主に説明できる体制を築くことを指す。企業のコンプライアンス(法令遵守)の観点からも,ITガバナンスの重要性が指摘されている。

 ITエンジニアリングの新サービスの特徴はプロジェクトマネジメント(PM)手法をITガバナンスに応用する点。米プリマベーラシステムズのPMツール「Primavera」を利用して,ユーザー企業が複数プロジェクトの状況を把握できる体制を築けるようにする。ユーザー企業は情報システム部門あるいは経営企画部門に,プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)を設置し,PMOスタッフがPrimaveraを使って複数プロジェクトをコントロールする。

 ITエンジニアリングは,ITガバナンス人材やPMOスタッフのトレーニングも請け負う。PMコンサルティング会社のプロジェクトプロと組み,一連のサービスを提供していく。両社は6月10日に「ITガバナンス対策セミナー」を開催する。

(谷島 宣之=日経ビズテック・日経ビジネス・日経コンピュータ編集委員)