写真1●名古屋商科大学の履修科目登録システム
写真2●選択できる科目を表示した画面
 名古屋商科大学は履修科目登録システムを開発し,2005年度から利用を開始した。特徴は,Flashによるリッチ・クライアントを採用するなどしてユーザーである学生の使い勝手を高めたこと。また,WebサーバーにはMac OS X Serverを利用している。アプリケーションはPHPで開発した。

 システムは名古屋商科大学と姉妹校の光陵女子短期大学で,全学部約4000名の学生が利用する。学生がスムーズに科目を選択できるよう,学部や学科,専攻,年度により履修が可能な科目のみを表示するようにした。また履修必修科目が指定されている場合は,その時間に別の科目を申請できない,取得上限単位数に達するとそれ以上履修できない,など誤った申請ができないようになっている。

 Flashを採用し,パソコンに習熟していない学生にも親しみやすいようにした。またあらかじめ必要なデータをFlash側に読み込んでおくため,ポップアップ画面の表示や画面の切り替えが早いとしている。名古屋商科大学では学生にMacintoshを配布しているが,Flashを使用したことでWindowsでもMacintoshでもデザインや挙動に差異が出ないという。

 昨年度までは学生がExcelのワークシートに履修したい科目を入力し,入力結果をメールで送信するというシステムを使用していた。新システムを導入したことで,履修できる科目だけを容易に選択できるようになり「学生の使い勝手が向上した」(名古屋商科大学 教学部門 コンピュータセンター チームリーダ 西口正宏氏)という。

 名古屋商科大学では座席指定制をとっており,クラス定員を超えた場合,抽選を行う。その抽選結果も履修科目登録システムから確認できる。

 また,システムへのアクセスは履修申請の締め切り直前に集中する。アクセス集中に耐えるため,Flashクライアントに必要なデータを読み込み,サーバーへのアクセスを抑制した。また3台のWeb/APサーバーで負荷分散を行なう構成をとった。そのため「締め切り直前のアクセス集中時期にも性能は低下することなく順調に稼動した」(西口氏)

 システムは,Oracleを搭載するDBサーバーとしてSun Enterprise 420R,Web/APサーバーとしてMac OS X Server搭載のXserveを3台使用している。名古屋商科大学では実習用のMacintoshクライアントでネットワーク・ブート機能も利用している。そのため,サーバーにもMac OS Xを利用している。

 開発を担当したヴォイクスジャパンではシステムを製品化し,「i-think」という名称で5月末から発売する予定。Mac OS X以外のUNIX/Linuxサーバーでも動作するという。

(高橋 信頼=IT Pro)