独立行政法人 産業技術総合研究所(産総研)は4月20日,「KNOPPIX 3.8.1日本語版」を公開した。KNOPPIXは,CD-ROM1枚で起動し動作するLinux。ドイツのKlaus Knopper氏がDebian GNU/Linuxをベースに開発しており,産総研で日本語化や,Windows上で動作する機能,ネットワークからOS本体をダウンロードして起動する機能の追加などを行っている。

 新バージョンである3.8.1の特徴は,CD-ROMに仮想的に書き込みを行うことのできるファイル・システム「Unionfs」を採用したこと。Unionfsは,メモリー上の仮想ディスク(RAMディスク)に更新を記録することで,本来書き換えることができないCD-ROMをあたかも更新されたように扱うことができる。これにより,OSやライブラリ,アプリケーションをインストールすることが可能。apt-getと呼ぶ更新ツールによってネットワーク・インストールを行うことができる。

 また,ホーム・ディレクトリやシステム設定などを継続的にハードディスクへ保存する機能も備えた。WindowsのFATやNTFSファイル・システム上に保存することができる。

 アプリケーションとしてKDE 3.3.2,Gimp 2.2.4,OpenOffice 1.1.4,Firefox 1.0.2,Thunderbird 1.0などを収録している。またIPAが調達した日本語フォント「IPAフォント」も収録している。

 HTTPでOS本体をダウンロードして起動する「HTTP FUSE KNOPPIX」としても使用できる。起動時にブートオプションで選択する。QEMUやcoLinuxによりWindows上で動作する機能も備えている。

 「KNOPPIX 3.8.1日本語版」は産総研のWebサイトなどからダウンロードできる。

(高橋 信頼=IT Pro)