マイクロソフトは4月13日,「悪意のあるソフトウェアの削除ツール」の新版を公開した。バージョン1.3あるいは「2005年4月」版とされている。新版では,削除できるウイルス(ワーム)の数が増えた。対応OSはWindows 2000/XP/Server 2003。Windows XPについては「Windows Update」からも利用可能。

 マイクロソフトでは,月例セキュリティ情報の公開日である毎月第2火曜日(米国時間)に「悪意のあるソフトウェアの削除ツール」を更新している。具体的には,検出ならびに削除できるウイルスの種類を更新している。新しく出回っているウイルスを削除対象に加えるとともに,出回らなくなったウイルスについては対象から外している。

 4月13日に公開された新版では,「Hackdef」「Mimail」「Rbot」が検出/削除対象に加えられた。一方,「Goweh」は対象から外された模様である。

 削除ツールは,ダウンロードセンターの「Microsoft Windows 悪意のあるソフトウェアの削除ツール (KB890830)」ページからダウンロードできる。Windows XPでは,「Windows Update」のページに「Windows 悪意のあるソフトウェアの削除ツール - 2005 年 4 月 (KB890830)」として表示される。

 「悪意のあるソフトウェアの削除ツール」のWebページからは,同ツールのActiveXコントロールを利用できる。ただし,現時点(4月13日早朝)では新版にアップデートされていない。同ページには「Webページでの提供には多少時間がかかります」と記述されており,同ページの更新日付は「2005年3月9日」とされている。

 注意したいのは,「悪意のあるソフトウェアの削除ツール」だけではウイルス対策として不十分であるということ(関連記事)。同ツールは,パソコン上で検出/削除対象ウイルスが実行されている場合のみ有効だからだ。“一般的な”ウイルス対策ソフト(アンチウイルス・ソフト)とは異なり,ハード・ディスク上のウイルス・ファイルを検出できない。ウイルスが実行されることを食い止める「リアルタイム検出」機能もない。また,検出/削除できるウイルスの数はとても少ない。

 マイクロソフト自身でも「既存のウイルス対策の保護を補完」するものであると明言している。同ツールを過信してはいけない。

◎参考資料
Microsoft Windows 悪意のあるソフトウェアの削除ツール (KB890830)

(勝村 幸博=IT Pro)