日経BPエキスパート社では2005年2月にITエンジニアを対象にWebアンケート調査「転職したい会社,気になる会社」を実施し,働いてみたいIT企業や転職意識について1400を超える回答を得た。

業界の大手企業に人気は集中

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図1(図をクリックして拡大表示)
 「働いてみたい会社」として,上位に上がっているのは,技術力と総合力に定評のある企業だ。ハードウエア,ソフトウエア,SI企業,通信キャリア,ネット・サービス企業と,業種はまんべんなく散っているが,いずれも最大手に集中している(図1[拡大表示])。

 例えばSI業界ではプライム・コントラクタでなくては収益が上がらないという構造になってきた。転職するにしても,社内に多彩な職種,技術領域があり,エンジニアとして成長ができる場が多い企業となると,大手になってくるのだろう。IT業界だけに外資系企業の人気は高く,上位20社のうち,約半数は外資系企業である。この人気も,能力主義や高収入というより,環境がよく,成長の機会が多そうな企業に集中しているようだ。

 必ずしも技術系企業とは言えない楽天とヤフーがいずれも上位10位以内に入っているのは,ネット・サービス業界の二大勢力であり,可能性にも期待しての人気と考えられる。この二社を比べて面白いのは,ヤフーは年齢が30代のポイントが高いが,楽天は40代のポイントが高いこと。楽天は急成長したため,中途採用で人員を増やしてきたが,大企業からの転職組も多いそうだ。何かと話題のライブドアは,20代から40代までまんべんなく支持されているが,今の時点で調査したら数字は変わってくるかもしれない。

 意外なほどの健闘を見せているのが,NTT東日本やNTT西日本。いずれも日本を代表する通信キャリアだが,従来だと,ITエンジニアの転職先としてはあまり注目されなかったのではないだろうか。通信のIP化が進みつつある今,通信キャリアは,ITコンサルティングやSIの比重を高め,中途採用にも熱心だ。リーダー・クラスの人材を求めているため,そうした効果が40代の高い支持という結果に出たようである。

(日経BPエキスパート)

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