武蔵野市企画政策室広報課は3月12日,同課が配信しているメール・マガジン「武蔵野市長メールマガジン」の登録者へウイルス添付メールを誤配信したことを明らかにした。同課では3月12日および14日付けで,誤配信のお詫びならびに経過報告を同市Webページで公表している。同課によると,ウイルスに感染したという報告は寄せられていないという(3月17日時点)。

 同課では2002年1月から,同市の重点課題や市政への理解を深めてもらうために,登録者へ「武蔵野市長メールマガジン」を月2回(毎月5日,20日)配信している。現在の登録者は1532名。その登録者全員あてに,ウイルス添付メールを3月12日に配信してしまった。ただし,登録されているアドレスの90件程度は,有効ではないアドレス(メールが届かず返信されてしまうアドレス)だった。

 同課によると,メール・マガジンを配信するシステムは,ある特定のFromアドレス(管理者用アドレス)から送信されたメールを,登録者全員へ配信する仕組みになっていたという。それ以外のFromアドレスを持つメールについては,メール・マガジン用サーバーに送られても登録者に配信されることはない。例えば,送られてきたメール・マガジンに返信をしても,その返信メールは登録者へ配信されない。

 ところが今回,Fromアドレスを管理者用アドレスに詐称したウイルス添付メールがサーバーへ送信されたために,そのメールが登録者全員に配信されてしまった。悪意のある人物からそのアドレスを狙って送られたのか,ウイルス感染パソコンから“たまたま”送られたのかは判断できないという。

 3月17日までに,ウイルスに感染したという報告は受けていないという。「パソコンのOSを再インストールした」という報告が1件寄せられているだけである。ただしこれも,ウイルスに感染したために再インストールしたのか,本人が不安を感じて再インストールしたのかは明らかではない。そのほか,苦情が2~3件寄せられているだけで,「『感染しなかった』や『(ISPなどのウイルス対策サービスのおかげで)ウイルスは送られてこなかった』といった報告のほうが多かった」(同課)。

 同課では,3月12日に同サーバーを停止。新しい配信システムを構築するまでは,マニュアルでメール・マガジンを配信する。どのような配信システムにするのかは検討中である。

◎参考資料
ウイルスメール配信のお詫びとご報告
ウイルスメールの配信の経過報告

(勝村 幸博=IT Pro)