NTT西日本の100%子会社であるNTTソルマーレは,ブロードバンド回線と携帯電話を赤外線通信で結び,家庭内で携帯電話を使用する際のパケット通信料を不要にするサービス「パケットゼロ」を4月18日に開始する。

 仕組みは,赤外線通信アダプタ「パケットゼロステーション」を,ルーター経由でADSLモデムまたはONU(光回線終端装置)に接続。無償iアプリ「パケットゼロブラウザ」を搭載した携帯電話から,115.2kビット/秒のIrDA赤外線インタフェースを介して,ブロードバンド回線経由でインターネットにアクセスする(写真)。

 インターネット上にある携帯電話向けの一般サイト(勝手サイト)の閲覧や,NTTソルマーレが提供する専用サイトからの着うたダウンロードなどが,パケット通信料不要で可能になる。また,有償のiアプリ「パケットゼロメッセンジャー」を使うと,携帯電話の内蔵カメラで撮影したSVGAクラスの高画質写真をメールに添付して,パケット通信料不要で送信できる。

 NTTソルマーレの広瀬雄二郎社長は,「ブロードバンド回線と携帯電話をつなぐ“携帯と固定通信の融合サービス”。NTTドコモとは事前に話をして,携帯電話をいっそう使ってもらえるようにするサービスとの認識で一致している。将来的には,駅や飲食店,コンビニエンスストアなどへも展開したい」という。

 ターゲットは,携帯電話のパケット通信料が月間2000~3000円の層。自室や居間で,画像が多いショッピングや料理レシピ,中古車情報などの携帯電話サイトを閲覧する10~30代に訴求する。初年度3万,次年度15万以上のユーザー獲得を目指す。

 パケットゼロステーションは,ビー・ユー・ジーが製造し,NTTソルマーレのWebサイトで販売する。実売価格は1万3000~4000円程度。専用iアプリはコネクトテクノロジーズが開発した。メッセンジャー用iアプリの利用料は月額500円程度を予定している。

 利用できるブロードバンド回線は,東西NTTのフレッツ・ADSLまたはBフレッツだけ。対応する携帯電話は,IrDAを備えたNTTドコモのmova505i/506iとFOMA900i/901iであり,KDDI(au)とボーダフォンの端末にも対応する予定である。