シマンテックは3月2日,国内のインターネット・ユーザーを対象に実施した,スパム(迷惑メール)やスパイウエアに関するアンケート調査の結果を公表した。それによると,インターネットを3年以上利用しているユーザーでも,送られてきたスパムに対して,4人に1人が受信拒否の連絡をするという。「有効なメール・アドレスを知らせることになるので,スパムに反応するべきではない」(同社コンシューマ・マーケティング部の田上利博プロダクトマーケティングマネージャ)。また,19.4%のユーザーが自分のパソコン中にスパイウエアを発見し,28.9%が「入っているのではないか」と心配している。

 今回の調査対象は,インターネットを3年以上利用しているユーザー1100名および1年未満のユーザー100名。実施時期は2005年1月中旬。

 スパムを受信したときの対応に関する設問に対しては,ネット歴3年以上のユーザーでも,その13.8%が「スパム中に書かれているURLにアクセスして『受信拒否』の手続きをする」,11.7%が「スパムに対して『受信拒否』の返信をする」という。単一回答の設問なので,計25.5%がスパムに“反応”していることになる。一方,「何もしない」という“模範回答”は61.9%。

 ネット歴1年未満のユーザーでは,28.0%が「URLにアクセスして『受信拒否』の手続きをする」,13.3%が「『受信拒否』の返信をする」と回答した。「何もしない」と回答したのは49.3%。たとえ「受信拒否」の連絡であっても,スパムに反応している限り,送られてくるスパムの数は増加する一方である。相手にしてはいけない。

 スパイウエアについては,ネット歴3年以上のユーザーの19.4%が「自分のパソコンに入っているのを見つけた」,28.9%が「もしかすると入っているのではないか」と回答した。一方,ネット歴1年未満の回答は,それぞれ7.0%,29.0%。“発見率”は1年未満のユーザーのほうが少ないが,これは,単に気付いていないだけである可能性が高い。

 というのも,「スパイウエアを知っているか」という設問に対しては,3年以上のユーザーの28.6%が「知っている」と答えたのに対して,1年未満のユーザーで知っていると答えたのは,わずか6.0%だったからだ。

 対策については,スパムについて「何もしていない」と答えた3年以上のユーザーは26.1%,1年未満のユーザーでは31.0%だった。具体的な対策としては,「メール・ソフトのフィルタリング機能を利用」(24.8%),「プロバイダのフィルタリング・サービスを利用」(21.1%),「専用のフィルタリング・ソフトを利用」(9.8%)――だった(複数回答。いずれも3年以上のユーザーの回答)。

 スパイウエア対策として,「何もしていない」と答えた3年以上のユーザーは34.4%,1年未満のユーザーでは50.0%だった。「スパイウエア対策ソフト(セキュリティ・ソフト)を使っている」と答えたユーザーは,3年以上で6.4%,1年未満で3.0%に過ぎなかった。

 「今回の調査で,ウイルス以外のセキュリティ対策はそれほど取られていないことが明らかになった」(同社 斉藤秀明副社長)

(勝村 幸博=IT Pro)