NTTコムウェアは同社およびグループ企業の約1万ユーザーが利用するシングル・サインオン認証システムを,2005年9月から順次,OpenLDAPなどのオープンソース・ソフトウエアを利用したシステムに移行する。現在のシステムは市販の有償ソフトウエア・パッケージをベースにした「COM-CA」だが,オープンソース・ソフトウエアを組み合わせた「COM-CA Open Edition」に移行することで,コスト削減とセキュリティ強化を図る。COM-CA Open EditionはCOM-CAと同様に構築サービスとして外販する。

 COM-CA Open Editionは,オープンソースのディレクトリ・サーバーOpenLDAP,通信暗号化ソフトウエアOpenSSL,WebサーバーApacheといった,オープンソース・ソフトウエアだけを組み合わせた認証基盤。1度のログインだけで複数のアプリケーションを使用できるシングル・サインオン機能を備える。勤務管理,意思決定支援(電子決裁),経理,購買などの社内システムに適用する。

 オープンソース・ソフトウエアではユーザー数に応じたライセンス料といったコストが発生しないためコストの削減が可能であるという。「現在のCOM-CAで採用している有償ソフトウエアは契約が終了するため,近くバージョンアップしなければならない。オープンソースへ移行する場合,構築のための初期費用が必要だが,ソフトウエアの保守契約費用などが必要ないため,2年目以降の累積トータル・コストは安くなる」(NTTコムウェア)という。

 また,オープンソース・ソフトウエアであるため不正プログラムの混入などが発生しにくいほか,NTTコムウェア自身でセキュリティ・ホールへの対処を行うこともできるため,セキュリティが向上するとしている。

 COM-CA Open Editionは構築サービスとして2005年4月から外部に提供する。価格は個別見積もりだが,約1万ユーザー,4システムを束ねるモデル・ケースで約3500万円。有償ソフトウエア・ベースのCOM-CAの場合の約7000万円に比べ,半額という。2007年度末までに12億円の受注を目標としている。

(高橋 信頼=IT Pro)