政府は2月24日,総理大臣官邸でIT戦略本部の会合が開催,「IT政策パッケージ2005」を策定した。2001年に「e-Japan戦略」として「5年以内に世界最先端のIT国家となる」との目標を掲げたが,「目標の年となり,利用者の視点でラストスパートをかける必要がある」としている。

 行政サービスに関しては府省共通システム整備などの推進,24時間365日ノンストップ・サービスへ向けた取組を検討するほか,「2005年度早期に『オープンソースソフトウェアに係る政府調達の基本的な考え方(指針)』(仮称)を策定する」としている。

 電子自治体の推進についてはポータルサイトからワンストップでの手続き,システムの標準化・共同化,アクセシビリティ確保支援や,「公的個人認証サービスが場所を問わず利用できるよう,2005年度中に携帯電話端末などを想定したモデル・システムを開発,実証する」との政策を推進する。

 医療関連ではレセプトの電算化及びオンライン化の推進,レセプト・コンピュータのオープン化を図り,標準マスターの搭載を促進する,医療分野におけるPKIを2005年度末までに整備する,などの方針を盛り込む。

 教育および人材については学校教育の情報化の推進,高度なIT人材の育成,生涯学習の推進をうたっている。
 
 生活関連では偽造カードやフィッシングなどITがもたらす社会問題の克服,災害時におけるITの活用促進,食の安全システムの確立,生体認証技術を活用した出入国管理等の強化,移動や交通の利便性と安全性の向上を推進する。

 電子商取引に関しては,電子的方法による総会議決権行使や公告など,ITの利用を阻害する課題への取組を推進する。

 情報セキュリティと個人情報保護については地方公共団体の個人情報保護および情報セキュリティ対策の推進,国際政策に関してはアジアを中心とした対象分野および対象国の重点化などを行うとしている。

(高橋 信頼=IT Pro)

◎関連資料
IT政策パッケージ-2005―世界最先端のIT国家の実現に向けて―(IT戦略本部決定)