マイクロソフトは2月22日,Windows XP SP2用の重要な更新プログラム(パッチ)をWindows Updateで公開した。「システムが応答しなくなる」といった重大な問題を回避するためのパッチを含む。パッチ自体は2004年中に同社のWebサイトで公開されていたが,今回Windows Updateでも公開された。重要なパッチなので,XP SP2用ユーザーは適用しておきたい。

 今回,Windows Updateで公開されたパッチは,(1)「Windows XP Service Pack 2 または Windows Server 2003 で Stop エラー "Stop 0x05 (INVALID_PROCESS_ATTACH_ATTEMPT)" が表示される(KB887742)」および(2)「Windows XP 上の Internet Explorer で Shift-JIS 文字エンコードを使用する Web サイトを参照すると,2バイト文字セット (DBCS) 文字が正しく表示されない場合がある(KB886677)」――をそれぞれ解消するためのもの。

 (1)は,特定のファイアウオール・ソフトやウイルス対策ソフトなどを使っている場合に,システムが応答しなくなってブルー・スクリーンが表示されるという問題。(2)は,Webページ上の2バイト文字をInternet Explore(IE)で正しく表示できない場合があるという問題である。

 (1)に関するパッチは2004年12月1日に,(2)のパッチは2004年11月22日に同社の「ダウンロード センター」で公開されていたが,Windows Updateからは適用できなかった。加えて,いずれについてもセキュリティ上の問題とはされていないため,毎月第2火曜日(米国時間)に公開されているセキュリティ情報には含まれていない。サポート技術情報(KB)として公開されているだけである。

 このため,影響を受けるユーザーでも,パッチを適用していなかった可能性は高い。それが今回,Windows Updateからも適用できる状態になった。XP SP2ユーザーは適用しておきたい。

 今回の対応についてマイクロソフトでは,「より多くのユーザーに適用してもらいたいと考えてWindows Updateでも公開した」という。また,今回のように,当初はサポート技術情報(ダウンロード センター)だけで公開していたものを,時間が経過してからWindows Updateで公開することは「めずらしいことではない」(同社広報)とする。

 ただし,ユーザーへのアナウンスなしの今回の対応について,セキュリティ関連のWebやメーリング・リストなどでは疑問の声が上がっている。

◎参考資料
Windows XP Service Pack 2 または Windows Server 2003 で Stop エラー "Stop 0x05 (INVALID_PROCESS_ATTACH_ATTEMPT)" が表示される
Windows XP 上の Internet Explorer で Shift-JIS 文字エンコードを使用する Web サイトを参照すると,2 バイト文字セット (DBCS) 文字が正しく表示されない場合がある
Windows XP SP2 Patch released; New phpBB Release; Apple Java Update; Wireless Standards

(勝村 幸博=IT Pro)