JPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC)は2月21日,オンライン詐欺「フィッシング」への悪用を目的としたWebサーバーへの侵入が多数報告されているとして注意を喚起した。JPCERT/CCでは,Webサーバーのセキュリティを再度確認するよう呼びかけている。

 JPCERT/CCの情報によると,特に注意すべきはLinuxサーバーだという。報告例を見ると,Linux上でOpenSSHやtelnetdを稼働しているマシンが侵入されて,フィッシングに悪用されているケースが多いという。もちろん,Linux以外のOSを利用しているマシンも注意する必要がある。

 JPCERT/CCが「予防方法」として挙げているセキュリティ対策は以下の5つ。いずれも,セキュリティのセオリーである。

(1)不要なサービスを停止する
(2)サービスを提供する範囲を制限する(アクセス制御を正しく施す)
(3)システムの運用状態を監視する
(4)ソフトウエア管理を行う(例えば,利用ソフトのセキュリティ・ホールをふさぐ)
(5)ユーザー・アカウント管理を行う(例えば,推測可能なパスワードを設定させない)

 JPCERT/CCでは,情報処理推進機構(IPA)が公開する「小規模サイト管理者向け セキュリティ対策マニュアル」などを参照するよう勧めている。これ以外にもいくつか参考資料が挙げられているので,管理者はぜひ目を通しておきたい。

 なお,IPAでも国内のWebサイトが侵入されて,フィッシングに悪用されたケースを確認しているという関連記事)。インターネットに常時接続しているマシンの管理者は十分注意したい。

◎参考資料
Web 偽装詐欺 (phishing) の踏み台サーバに関する注意喚起

(勝村 幸博=IT Pro)