米Microsoftの会長兼Chief Software ArchitectであるBill Gates氏は米国時間2月15日,現在開催中の「RSA Conference 2005」の基調講演において,InternetExplorer(IE)の次期バージョンIE 7.0のベータ版を2005年夏に公開することを発表した(写真)。併せて,現在ベータ版を公開しているWindows AntiSpywareの正式版を無償提供する予定であることなども明らかにした。

 RSA Conferenceとは,年に1回米国で開催されている世界最大規模のセキュリティに関する国際会議/展示会。14回目にあたる今年は,サンフランシスコで開催されている。

 Gates氏は同社のセキュリティに対する取り組みを解説するとともに,セキュリティ関連製品の今後の予定を紹介した。

 それによると,同社ブラウザの次期バージョンIE 7.0ベータ版を今年の夏にリリースする予定であるという。なお,IE 7.0はWindows XP SP2のみに対応する模様。

 Windows XP SP2によってIE 6のセキュリティ機能は強化されるが,IE 7.0では,セキュリティ機能がさらに強化されるという。具体的な機能については明らかにされなかったが,「新たなレベルのセキュリティが追加され,フィッシングや悪質なソフトウエア,スパイウエアといった脅威に対する守りが今まで以上に固められる」としている。

 同社が現在ベータ版を公開しているスパイウエア対策ソフトWindows AntiSpywareに関する予定も明らかにした。時期は未定だが,個人向けに限り,Windows AntiSpywareの最終版(正式版)を無償(no additional charge)で利用可能にする。ただし,企業向けのスパム対策ソリューションについては,有償で提供する予定であるという。

 また,同社がウイルス対策ソフト(エンジン)を提供することも明らかにした。同社ではウイルス駆除ツール「Windows Malicious Software Removal Tool」を既に提供しているが,機能が制限されていて一般的なウイルス対策ソフトとは呼べない(関連記事)。しかしながら,2005年2月に買収を発表したアンチウイルス・ベンダー米Sybari Software,2003年に買収したルーマニアGeCADの技術を基に,2005年末までに同社製のウイルス対策ソフト(エンジン)を提供する。

 さらに,同社の次期アップデート・サービス「Microsoft Update」——Windows XP/2000/Server 2003,Office 2003,Exchange Server 2003などのパッチを同時に適用できるサービス——のスケジュールについても明らかにした。具体的には,ベータ版を2005年3月の中ごろに公開するという。

(勝村 幸博=IT Pro)