矢野経済研究所は2月10日,「企業・団体の3分の1がオープンソース・ソフトウエアを導入,地方自治体など公共団体では60%以上が導入済み」という調査結果を発表した。サーバーのLinux搭載出荷比率は,2004年の13.9%から2007年には20%を超えると予測している。2004年のサーバー用Linuxディストリビューションは前年比49.9%の6万3400本を出荷,2007年には15万本で売上83億円になると予想している。

 調査は2004年10月から2005年1月にかけ,ユーザー企業およびベンダーに対し行った。回答したユーザー企業は637社。

 Linuxの導入率は27.6%で,さらに約30%がLinuxの導入を考えている。基幹系業務システムへの導入については,6.8%が導入を検討中,33.3%が導入に興味があると回答した。基幹系業務システムへの導入を考えていない理由としては「管理者・技術者がいない」が最も多く49.3%,「サポートに不安がある」が39.7%だった。

 PostgreSQLやMyQLを代表とするオープンソースDBMSについては,「導入済み」が10.2%,「導入に興味がある」が25.4%となった。

 2004年のLinux搭載サーバーの出荷台数は対前年比35.5%増の6万8420台で,全サーバーの13.9%となる見込みという。2006年には10万台,2007年には14万台で全サーバーの約20%になると予測している。2003年から2007年までの売上高の平均成長率は約30%を見込む。

 矢野経済研究所の推定によれば,2004年のLinux搭載サーバー出荷台数シェアは日本IBMが24.4%で1位,NECが21.1%で2位,富士通が14.6%,日本HPが14.4%,デルが13.2%,日立製作所が9.9%と続く。

 2004年のサーバー用Linuxディストリビューションは出荷本数が前年比49.9%の6万3400本,売上金額が前年比51.1%増の33億4000万円と高い成長を示している。矢野経済研究所では,2006年には10万本,2007年には15万本で売上83億円になると予想している。2003年から2007年までの売上高の平均成長率は約39%になるという。

 矢野経済研究所の推定による2004年のLinuxディストリビューションのシェアは,Red Hatが52.8%,MIRACLE LINUXが22.1%,Turbolinuxが13.1%,Novell SUSE Linuxが3.3%,その他が8.7%となっている。

(高橋 信頼=IT Pro)


◎関連資料
矢野経済研究所の発表資料
◆「企業情報システムにおけるLinux/OSSの導入実態と今後の展望 2005」