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リバティシステムファクトリ代表 吉田亨氏は「IEEE802.15の概要とLinuxへの実装状況」と題し,近距離無線通信「ZigBee」(IEEE802.15)について講演した。同社はLinuxのZigBee通信機能の開発に参加している。吉田氏は「消費電力が低く,多くのデバイスを同時接続できるZigBeeは家庭の無線ネットワークとして有望」としながらも「国内での取り組みは欧米に比べ遅れている」との危機感を示した。
元神奈川大学教授で,gccのメンテナ(管理責任者)のひとりでもある小島一元氏は[GCCよどこへ行く」と題し講演した。Free Software Foundationが開発するコンパイラgccは,C/C++のみならず多くの言語向けフロント・エンドが開発され,コンパイラのデファクト・スタンダードとなっている。小島氏はgccの歴史や開発体制を紹介したあと,間もなく正式リリース予定の4.0を解説した。4.0では内部構造が大きく変更された。生成するコードの最適化を容易に改良できるようになったという。
独立行政法人 産業技術総合研究所(産総研) 主任研究員の須崎有康氏は「KNOPPIX日本語版の展開」と題し講演した。CD1枚に収められ,CDから起動する1CD LinuxのKNOPPIXは,ドイツで開発され,産総所で日本語化とともにWindows上で稼動する機能などの追加が行われている。産総研が2004年11月に公開したSFS-KNOPPIXは,OS本体をサーバーに置き,クライアントにダウンロードして起動するよう改造したKNOPPIXである。
ただし「SFS-KNOPPIXはサーバーに特殊なファイル・システムを使用するため,ミラー・サーバーを容易に作れなかった」(須崎氏)。サーバーが混んだりした場合起動が遅くなってしまう。そこで,現在httpでダウンロードできるようにした改良版を製作中。すでにテスト版が作られているという。