独立行政法人 産業技術総合研究所(産総研)は1月31日,「KNOPPIX 3.7日本語版」の新版を公開した。KNOPPIXは,CD1枚で起動できるLinux。KNOPPIXはドイツのKlaus Knopper氏がDebian GNU/Linuxをベースに開発した 1CD Linux。産総研の須崎有康氏が中心となり,日本語化や,Windows上で動作する機能の追加などを行っている。

 今回公開した新版の特徴は,IPAフォントを搭載したことと,readaheadと呼ぶツールにより起動を高速化したこと。

 IPAフォントとは,独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が調達した日本語フォント。商用フォントをベースにしており,既存の無償フォントに比べ品質が高い。これまで,高品質の適切な無償日本語フォントがないことが,デスクトップLinuxの課題のひとつになっており,商用Linuxディストリビューションの多くは商用フォントを同梱していた。

 IPAでは,2004年07月からIPAフォントを地図情報システムGRASSなどに同梱して配布していた。商用フォントの市場を圧迫しないようにとの配慮などから,フォント単独での配布は認めていない。Linuxディストリビューションに同梱して配布されるのは今回が初めてになる。

 IPAフォントはゴシック体,ゴシック体プロポーショナル,ゴシック体UI,明朝体,明朝体UIの5書体からなる。

 readaheadは,起動時に必要なファイルをまとめて先読み,起動を高速化する機能。ただし,現在のバージョンでは,メモリーが512Mバイト以上ないと効果が得られないという。

 KNOPPIX 3.7日本語版は,産総研のサーバーなどからダウンロードできる。

(高橋 信頼=IT Pro)