「日本の自治体は53%がLinuxサーバーを利用しており,2003年の34.8%から大幅に増加した」――ガートナー ジャパンは1月6日,このような調査結果を発表した(図1[拡大表示])。また稼働中のサーバー台数比率では,2003年の6.1%から11.4%へと2倍近く拡大したという(図2[拡大表示])。

図1●自治体におけるLinuxサーバーの利用状況推移
出典:価値総研,第一法規,ガートナー
図2●自治体における利用中システムのプラットフォーム別台数シェア
出典:価値総研,第一法規,ガートナー
 同社によれば,民間企業でのLinuxサーバー利用率は2004年10月時点で4割弱,サーバー台数比率では5%程度であり,自治体へは民間企業に比べよりLinuxが浸透しているとしている。

 この調査は,第一法規,価値総合研究所,ガートナー ジャパンが運営する新電子自治体共同研究会が実施。1715の自治体が回答した。調査は,2003年,2004年とも,9月初旬から10月末にかけて行った。

 Linuxサーバーの多くは他サーバーのリプレースではなく,新規に導入されたものだ。Linuxサーバーの台数比率は,2003年の6.1%から11.4%へと増加したものの,オフコン以外のマシンは2003年と比べて大きな減少は見られず,UNIXサーバーやWindowsサーバーの台数も増加している。これらの点からガートナー ジャパンでは「Windowsからの脱却という意味では,自治体市場においても大きな進展はまだないと考えられる」としている。

 Linuxサーバーの用途としては,65%が「電子メール・サーバー」として利用している。これは民間企業の43%に比べ大きな比率という。また,自治体間ネットワークLGWAN(Local Government Wide Area Network)の接続率は,2003年調査時点(9~10月)では3割以下だったが,2004年調査時点では約94%となっている。これらの点から,ガートナー ジャパンでは,Linuxサーバーの多くはLGWANに絡むシステムとして導入されたと見ている。

 2005年以降については,2004年のような増加はないと予測している。2004年の調査で,1年以内に新しくLinuxサーバーの導入を予定している自治体は0.8%であること,またLGWANの接続もほぼ完了していることがその理由である。

(高橋 信頼=IT Pro)