デンマークSecuniaは現地時間1月3日,Internet Explorer(IE)のFTP(File Transfer Protocol)機能に見つかったセキュリティ・ホールを公表した。悪質なFTPサーバーからIEを使ってファイルをダウンロードしようとすると,ユーザーが意図しないファイルをパソコンの任意の場所(パス)にダウンロードさせられる。対策は,信頼できないFTPサイトからはファイルをダウンロードしないこと。なお,Windows XP SP2上のIEは影響を受けない。

 今回のセキュリティ・ホールを発見したのは,「7a69ezine」というグループ。同グループは12月末にWebサイトやメーリング・リストなどで今回のセキュリティ・ホールを公表した。そのセキュリティ・ホールをSecuniaが検証した上で,今回公表した。

 今回のセキュリティ・ホールは,IEのFTP機能が入力値をきちんとチェックしないことが原因。このセキュリティ・ホールを悪用すれば,悪意があるFTPサーバー(管理者)は,そのサーバーからファイルをダウンロードしようとするユーザーのパソコン中に,任意のファイルを作る(ダウンロードさせる)ことができる。

 任意のファイルを作られるだけで,実行させられるようなことはない。しかしながら,任意のファイルは任意の場所(パス)に作れるので,スタートアップ・フォルダに危険な実行形式ファイル(例えばウイルス)をダウンロードさせれば,次回起動時に実行させられることになる。

 セキュリティ・ホールの発見者は,今回のセキュリティ・ホールを突くようなFTPサーバーのソース・コードを公開している。およそ120行のC言語のソース・コードではあるが,きちんと動作するようだ。

 米Microsoftからはセキュリティ情報やパッチは公開されていない。このため,信頼できないFTPサイトからはファイルをダウンロードしようとしないことが対策となる。セキュリティ・ホールの発見者は,「IEの使用を止めてFirefoxを使う(Don't use Internet Explorer and turn to Firefox world.)」ことを対策として挙げている。

◎参考資料
Internet Explorer FTP Download Directory Traversal(Secunia)
Ineternet Explorer FTP download path disclosure(7a69ezine)

(勝村 幸博=IT Pro)