トレンドマイクロは12月20日,2004年の「ウイルス感染被害年間レポート」を公表した。これは,2004年1月1日から12月15日までにユーザーから同社のサポートセンターに寄せられたウイルス発見/被害届け出を集計したもの。最も届け出が多かったのは「WORM_NETSKY」(5527件)で,2番目に多かった「TROJ_AGENT」(2558件)の倍以上だった。「WORM_AGOBOT」(1972件),「WORM_SDBOT」(1066件),「WORM_RBOT」(908件)——といったボット系プログラムの届け出数も多かった(関連記事1関連記事2)。

 同レポートでは,「2004年は『WORM_NETSKY』を代表とするマス・メール型ワーム(メールで感染を広げるウイルス)による被害が目立った1年」と総括している(関連記事)。WORM_NETSKYやWORM_MYDOOMなどは新しい変種が次々出現して話題になった(関連記事)。ただ,NETSKYやMYDOOMとは異なり,メディアなどで取り上げられることは少なかったが,Webで感染を広げる『TROJ_AGENT』やボット系プログラムについても,新たな変種が毎週のように出現し続けたという(関連記事)。特に,代表的なボットの一つ「WORM_AGOBOT」については,既に1000以上の変種が確認されているという。

 また,“日本発のウイルス”が出現したことを2004年のトピックの一つとして挙げている。その代表例が「WORM_ANTINNY」である(関連記事)。WORM_ANTINNYはファイル交換ソフト「Winny」を通じて感染を広げるウイルス(ワーム)。オリジナルの「WORM_ANTINNY.A」は大きな被害をもたらさなかったが,2004年3月に出現した変種「WORM_ANTINNY.G」は感染パソコンの情報を勝手にアップロードして大きな被害をもたらした(関連記事)。

◎参考資料
ウイルス感染被害年間レポート(トレンドマイクロ)

(勝村 幸博=IT Pro)