PHP開発チームは12月15日(現地時間),オープンソースのWebアプリケーション開発言語PHPに,リモートからコードを実行されるバッファ・オーバーフローのセキュリティ・ホールが存在することを明らかにした。影響を受けるのはPHP 4の4.3.9以前のバージョンと,PHP5の5.0.2以前のバージョン。対策は,最新版4.3.10または5.0.3にバージョンアップすること。深刻なセキュリティ・ホールであり,PHP開発チームは「可能な限り迅速にアップグレードすることを強く推奨する」としている。

 セキュリティ・ホールを報告したHardened-PHP Projectによれば,問題の詳細は以下の通り。(1)pack()関数のヒープ・オーバーフローにつながる整数オーバーフロー,(2)ヒープ情報漏えいにつながるunpack()関数の整数オーバーフロ,(3)マルチスレッドでのsafe_mode_exec_dirバイパス,(4)safe_modeでのパスのアクセス制限バイパス,(5)realpath()関数でのパスアクセス制限の問題,(6)ネガティブ・リファレンスでのunserialize()の処理の問題,(7)解放されたデータへの参照のunserialize()の処理の問題。

 このセキュリティ・ホールについては,IT Pro連載コラム「PHPウォッチ」第13回(12月20日掲載)でも解説する予定である。

◎関連資料
Advisory: Multiple vulnerabilities within PHP 4/5(Hardened-PHP Project)
PHP 4.3.10 ChangeLog(The PHP Development Team)
PHP 5.0.3 ChangeLog(The PHP Development Team)