政府の高度情報通信ネットワーク社会推進本部(以下,「IT戦略本部」。本部長は総理大臣)は12月7日,情報セキュリティに関する基本戦略を策定/実行するための組織「情報セキュリティ政策会議(仮称)」,情報セキュリティ対策を施すための統一的/横断的な組織「国家情報セキュリティセンター(仮称)」を設置することを決定した。情報セキュリティ基本問題委員会から11月16日に出された「第1次提言」を踏まえた決定である(関連記事)。

 情報セキュリティ政策会議(仮称)はIT戦略本部に置かれ,以下のような役割を担う。

(1)情報セキュリティ政策に関する基本戦略の策定
(2)基本戦略に基づいた情報セキュリティ政策の事前評価の実施
(3)情報セキュリティ政策の事後評価の実施とその結果の公表
(4)情報セキュリティ対策に係る政府統一的な安全基準の策定

など。

 国家情報セキュリティセンター(仮称)については,現在の内閣官房情報セキュリティ対策推進室を強化および発展させて,同センターとする。同センターは以下のような役割を担う。

(1)(情報セキュリティに関する)基本戦略の立案
(2)政府機関の総合対策促進
(3)政府機関の事案対処支援

 情報セキュリティ政策会議(仮称)および国家情報セキュリティセンター(仮称)の役割については,ほとんど,情報セキュリティ基本問題委員会が出した第1次提言の通りである。しかしながら,人数や構成といった詳細については,今回の「IT戦略本部決定」では明記されていない。同決定によると,平成17年早々に内閣官房情報セキュリティ対策推進室を中心にプロジェクト・チームを発足し,詳細を決めるという。

 また,各府省庁との調整の結果,国家情報セキュリティセンター(仮称)で取り扱う業務が付加される可能性があるという。

◎参考資料
情報セキュリティ問題に取り組む政府の役割・機能の見直しに向けて(首相官邸)

(勝村 幸博=IT Pro)