三井物産セキュアディレクション(MBSD)とさくらケーシーエス(さくらKCS)は,個人情報保護を支援する「個人情報保護統合セキュリティソリューション」を11月8日から提供することを発表した。コンサルティングや教育などに強いというさくらKCSと,技術に強いとするMBSDの両社が提携することで,「ワンストップで広範な対策ソリューションを提供できる」(MBSDの野村一洋 代表取締役社長)という。

 野村社長によれば,現在,30社を超えるベンダーが個人情報保護をうたうソリューションやサービスを提供しているという。だが,「コンプライアンス・プログラムの策定といったコンサルティングから,ファイルの暗号化や監視サービスといった技術的な対策まで提供できるサービスはほとんどない」(野村社長)。

 同氏が強調するのは両社の実績。「さくらKCSは250社以上のプライバシーマーク取得を支援している。MBSDは,100件を超えるセキュリティ監査を実施している。この両社が組むことで,JISQ15001に適合するような(プライバシーマークを取得できるような)体制作りを支援できる」(野村社長)。

 両社が今回提供する「個人情報保護統合セキュリティソリューション」は,複数の“ワーク・パッケージ”から構成される。ユーザー企業は,自分たちに必要と思われるワーク・パッケージを選択および組み合わせて利用する。両社が用意しているワーク・パッケージは以下の9種類。

(1)個人情報に関する社内調査
(2)リスク分析
(3)個人情報保護に関する従業員への啓蒙
(4)コンプライアンス・プログラムの策定
(5)物理的な入退室管理の改善
(6)ファイルやメールの暗号化
(7)コンプライアンス・プログラムに関する従業員教育
(8)サーバー/Webアプリの脆弱性検査
(9)不正アクセス監視

 このうち,コンサルティングおよび教育,物理的な対策である(1)~(5)および(7)についてはさくらKCSが,技術的な対策である(6)と(8),(9)はMBSDが担当する。

 料金は個別見積もり。参考料金は,従業員20名程度の小規模な拠点1カ所で300万円から(ただし,これには技術的な対策は含まれない)。販売目標は2005年12月末までに50社,売上は3億円。MBSDおよびさくらKCSが直接販売する。

◎参考資料
MBSDとさくらケーシーエス,個人情報保護対策を支援する統合セキュリティソリューションを販売開始(プレス・リリース,PDFファイル)

(勝村 幸博=IT Pro)