「国内で販売されているセキュリティ製品のほとんどが海外製だ。セキュアブレインでは国内発のセキュリティ技術や製品を提供していきたい」――。シマンテックの元社長で,セキュアブレインの代表取締役社長兼CEOである成田明彦氏は10月26日,IT Proの取材に対して,同社の設立目的や今後の予定を説明した。同社製品の第1弾として11月にはフィッシング対策製品を発表する予定である。

 セキュアブレインは10月に設立されたセキュリティ・ベンダー。社員は9名。そのうち3名は技術スタッフである。事業内容は,主にセキュリティ・ソフトウエアの開発/販売およびセキュリティに関するコンサルティング。

 「技術スタッフが持つノウハウを生かして,セキュリティ製品の開発やコンサルティングを提供する」(成田氏)。ターゲットとする主な分野は,まだ対策が確立していない“新たな脅威”であるという。「既に大手ベンダーが提供しているセキュリティ製品や技術は狙わない。確かなソリューションが存在しない分野を狙う。現在考えているのは,“デジタル詐欺”に関する分野である」(同氏)

 同社がまず発表を予定しているのは,デジタル詐欺の一つであるフィッシングに対抗するための製品。詳細については不明だが,サーバーとクライアント(ユーザー)間の相互認証を可能にする製品のようだ。「フィッシング対策については,いろいろな製品が出回っているが,それらとは異なる技術を用いている」(プリンシパルセキュリティアナリストの星澤裕二氏)。製品発表は11月下旬,出荷は来春を予定している。「将来的にはセキュアブレインが開発した国内発のセキュリティ製品を海外に展開したい」(成田氏)

(勝村 幸博=IT Pro)