マイクロソフトは10月16日,Windows XP SP2において「GDI+検出ツール」をインストールすると,シャットダウン時にハングアップする場合があることを明らかにした。ハングアップ後に再起動すると,Windows の「スタート」ボタンなどが表示されなくなる場合もある。自動更新の設定を「シャットダウンと更新プログラムの適用」にしたXP SP2でGDI+検出ツールをインストールした場合に,この問題が発生する。10月14日に再度公開されたGDI+検出ツールでは,この問題は修正されている。

 この問題自体は10月13日に確認されており,10月14日には同社の「トラブル・メンテナンス速報」のページで「Windows XP SP2 セキュリティ更新プログラム適用時のトラブル シューティング」としてアナウンスされていた。10月16日の更新で詳しい情報が公開され,同情報のステータスは「解決済み」にされた。

 今回の問題は,9月13日に公開された「JPEG 処理 (GDI+) のバッファ オーバーランにより,コードが実行される(MS04-028)」のセキュリティ・ホールを調べるGDI+検出ツールが原因。9月13日時点でXP SP2用GDI+検出ツールも公開されたが,その後,10月13日にXP SP2用MS04-028のパッチに不具合が見つかり,同ツールも更新された(関連記事)。10月13日に再度公開されたツールの構成に不具合があった。

 このため,「シャットダウンと更新プログラムの適用」に設定した自動更新で,10月13日に公開されたGDI+検出ツールをインストールすると,インストール後のシャットアウト時にXP SP2がハングアップする。ハングアップ後,電源を入れなおして再起動させると,Windows の「スタート」ボタンなどが表示されなくなる場合がある。

 この場合には,「Windows XP ホットフィックス-KB834707」を削除した上で,Windows XP SP2 を再インストールする必要がある。具体的な手順については,同社のサポート技術情報「Windows XP SP2 セキュリティ更新プログラム適用時のトラブル シューティング」を参照のこと。

 現在公開されているGDI+検出ツールでは問題は発生しない。同社では,新しいツールを公開した10月13日にこの問題を確認。10月14日午前2時に同ツールの配布を中止。同日午前10時に,問題を修正したツールを公開した。この時点で「トラブル・メンテナンス速報」でトラブルシューティングの手順を公開。そして,10月16日に最終的な情報に更新した。

◎参考資料
トラブル・メンテナンス情報
Windows XP SP2 セキュリティ更新プログラム適用時のトラブル シューティング

(勝村 幸博=IT Pro)