NTTデータとVAリナックスは10月13日,Linuxの障害解析ツール「ミニカーネルダンプ」をオープンソース・ソフトウエアとして公開した。ミニカーネルダンプは,障害発生時に,外部の記録装置に情報を記録するツール。他の同種のツールが正常に動作しなくなるような深刻な障害でも,情報の記録が可能という。

 クラッシュ・ダンプ・ツールとは,障害発生時に,実行中のプログラムやメモリー上のデータなどを記録するツール。保存したデータから,障害の内容を解析することで,バグの所在を突き止め,修正するために利用される。Linux用のダンプ・ツールとしては,日本IBM,NEC,日立製作所,富士通の4社が共同開発したLKCD(Linux Kernel Crash Dump)や,米Red Hatがサポートしているnetdumpなどがある。

 しかし「Linuxの障害解析機能は,既存のUNIXに比べて弱いとされてきた」(NTTデータとVAリナックス)。LKCDやnetdumpは,障害時に作動するツールでありながら,Linuxカーネルが正常に動いていることを前提として設計されているという問題を抱えているとしている。

 「ミニカーネルダンプ」は,本体Linuxカーネルとは別の,小さなダンプ取得専用のLinuxカーネルを起動する方式を採る。これにより,本体の障害が重大な場合でも,ダンプを取得できるという。

 「ミニカーネルダンプ」は,プロジェクトのホームページからダウンロードできる。

(高橋 信頼=IT Pro)